毎日大量にやってくるメールの処理に時間を奪われている人は多いだろう。パーソナルマインドトレーナーの森田ゆきさんは「メールのやり取りはひと工夫するだけでお互いのタイパを劇的に高めることができる。
※本稿は、森田ゆき『賢い人の質と速さを両立させる時短100式』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■日程調整の日時候補は3択にしてメールラリーを減らす
自分と相手の予定をすり合わせる日程調整のメールのやりとりには、意外と時間がかかります。失礼なことをしたくないがために、多くの人は、「ご都合のよい日をご提示ください」と全面的に相手に合わせる姿勢のメールを送りがちです。
しかし、もし相手が挙げてきた日時があなたの都合の悪い日だったら、「その日は予定があるので別の日をお願いできますか?」のように一からやり直しになってしまいます。
「ご都合のよい日をご提示ください」というお伺い自体が悪いわけでも間違っているわけでもないのですが、タイパを高めるという観点で言うと、もうひと工夫してほしいところです。
一番効率がよいのは、「例えばですが」などと前置きしたうえで、あなたの都合のよい日時を3つほど提示し、「ご都合はいかがですか」と聞くことです。その際、「ご都合が悪い場合は別の日程を複数日お知らせください」と添えると、さらに無駄がありません。
■自分から日程候補を出すのがためらわれる場合には
相手との関係性によっては、自分から候補日を提示するのはちょっと……と思う場合は、「来週か再来週あたりでご都合のよい日を複数日ご提示いただけますと幸いです」「こちらの都合で大変恐縮ですが、月曜日・火曜日以外でご希望日をいくつかお知らせいただけると助かります」などと、ある程度あなたの都合に合わせて絞ったうえでお伺いを立てると、角も立たず、何度もメールのラリーを続けることも防げるでしょう。
日程調整のやりとりを直接行う相手であれば、あなたと相手との立場にそこまで大きな差はないことがほとんどのはずです。そのような相手にあまり遠慮しすぎると、延々とメールラリーが続き、日程調整に1週間くらいかかってしまい、げんなりしがちです。
失礼と感じさせない前置きや言葉を選びながら、自分から積極的に候補日を3つ程度提示してあげると、タイパのよいメールのやりとりができるでしょう。
■メールの受信件数を減らす一言「返信不要」
単純な考え方として、メールの受信件数が減れば減るほどメール対応の時間は少なくすみます。そこで、少しでも受信メールの数を少なくできるよう、工夫できることはないか考えてみましょう。
一例として、よくある「承知しました。楽しみにしています」「了解です。よろしくお願いします」といった了解を伝える返信メールを相手に送らせずにすむ、便利な文言があります。
それは、「返信のお気遣いは不要です」「ご返信には及びません」のような文言です。
相手は「ちゃんとメールを読んで、書いてある内容を了解しましたよ」という意図を伝えるために、よかれと思って返信してくれるわけです。中には、「ちゃんと返信しないと、読んでいないと思って相手が不安になるかもしれない」と気を回してメールを送ってくれる人もいます。そのような人たちにあえて先のような言葉を伝えることで、「返信しなくて大丈夫なんだな」と思ってもらえばよいのです。
■大勢に宛てて送るメールでも効果発揮
また、日程調整のメールのやりとりであれば、「上記の日時でご都合が悪い場合のみご返信ください」や、「変更がある場合のみ○日までにご連絡ください」などと添えることで、徹底的に無駄を省いたメールが完成します。
忙しいのはみんな一緒です。了解メールを返さずにすめば、その分相手も時間を節約できます。
このような方法は、日程調整のメールのやりとりの他、大勢に宛てて送るような飲み会やイベントの案内メール、写真やちょっとした書類を共有するメール、荷物を送ったなどのお知らせメールで抜群の効果を発揮します。大勢の人から「了解しました」のメールが返ってくると、相手の親切心とはわかっていても、目を通すだけでかなりの時間を奪われてしまいます。ぜひ、「返信不要」の文言を活用してみてください。
■メールが見落とされるリスクを回避できる送信予約機能
秘書時代の私のボスたちは、毎日何百通という大量のメールを受け取っていました。日によっては千を超えることもありました。
そのような大量のメールの中に私が送ったメールが埋もれてしまい、ボスに見落とされたとしても不思議ではありません。しかし、読んでくれなかったメールが外部との調整に関する重要なものであれば、トラブルに発展する可能性がありますし、そうでなかったとしても私の仕事は滞ってしまいます。
また、大量の受信メールを順番にさばく中で、私の送ったメールをいつ見てもらえるかわかりません。できれば早く見てほしいところですが、それを指定することも不可能です。
このような問題を解決するのに便利なのが、メールの「送信予約機能」です。この機能を利用すると、送信時刻を指定して特定のメールを送ることができます。
受信トレイ(受信箱)では、通常、メールが届いた順に上へ上へとメッセージが積み重なっていきます。つまり、直近に届いたメールが一番上に表示されるわけです。
■相手が有給をとっているときでも自分の都合でメールを送れる
前夜から今朝にかけてボスのメールボックスには大量のメールが届いていますが、ボスのメールチェックのタイミングを把握してその時刻に合わせて予約送信することで、溜まりに溜まった大量のメールの中で一番上、あるいはその付近に私が送ったメールが表示されます。
そうすれば、見落とされる確率は低いうえ、すぐに対応してもらえるので、朝の早いタイミングで返信してもらえます。つまり、こちらの仕事がはかどるのです。
このようなケース以外にも、例えば朝一番に案内のメールや指示出しのメールを送る必要がある場合、送信予約を設定しておくと、送り忘れることも忙しくて後回しにしてしまうこともありません。
休日や相手が有給を取っている日など、メールを送るのが少々はばかられるようなときにも、相手の出社日に合わせて送信予約しておきます。そうすることで、自分のタイミングでメール対応作業ができます。
こういったメールの工夫は、簡単にできて自身にとっても相手にとっても時短につながります。ぜひ取り入れてみてください。
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森田 ゆき(もりた・ゆき)
パーソナルマインドトレーナー
Make Value Spirit 代表 。
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(パーソナルマインドトレーナー 森田 ゆき)
この方法を使えば、忙しい相手から確実に返事をもらうことができる」という――。
※本稿は、森田ゆき『賢い人の質と速さを両立させる時短100式』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■日程調整の日時候補は3択にしてメールラリーを減らす
自分と相手の予定をすり合わせる日程調整のメールのやりとりには、意外と時間がかかります。失礼なことをしたくないがために、多くの人は、「ご都合のよい日をご提示ください」と全面的に相手に合わせる姿勢のメールを送りがちです。
しかし、もし相手が挙げてきた日時があなたの都合の悪い日だったら、「その日は予定があるので別の日をお願いできますか?」のように一からやり直しになってしまいます。
「ご都合のよい日をご提示ください」というお伺い自体が悪いわけでも間違っているわけでもないのですが、タイパを高めるという観点で言うと、もうひと工夫してほしいところです。
一番効率がよいのは、「例えばですが」などと前置きしたうえで、あなたの都合のよい日時を3つほど提示し、「ご都合はいかがですか」と聞くことです。その際、「ご都合が悪い場合は別の日程を複数日お知らせください」と添えると、さらに無駄がありません。
■自分から日程候補を出すのがためらわれる場合には
相手との関係性によっては、自分から候補日を提示するのはちょっと……と思う場合は、「来週か再来週あたりでご都合のよい日を複数日ご提示いただけますと幸いです」「こちらの都合で大変恐縮ですが、月曜日・火曜日以外でご希望日をいくつかお知らせいただけると助かります」などと、ある程度あなたの都合に合わせて絞ったうえでお伺いを立てると、角も立たず、何度もメールのラリーを続けることも防げるでしょう。
日程調整のやりとりを直接行う相手であれば、あなたと相手との立場にそこまで大きな差はないことがほとんどのはずです。そのような相手にあまり遠慮しすぎると、延々とメールラリーが続き、日程調整に1週間くらいかかってしまい、げんなりしがちです。
失礼と感じさせない前置きや言葉を選びながら、自分から積極的に候補日を3つ程度提示してあげると、タイパのよいメールのやりとりができるでしょう。
■メールの受信件数を減らす一言「返信不要」
単純な考え方として、メールの受信件数が減れば減るほどメール対応の時間は少なくすみます。そこで、少しでも受信メールの数を少なくできるよう、工夫できることはないか考えてみましょう。
一例として、よくある「承知しました。楽しみにしています」「了解です。よろしくお願いします」といった了解を伝える返信メールを相手に送らせずにすむ、便利な文言があります。
それは、「返信のお気遣いは不要です」「ご返信には及びません」のような文言です。
相手は「ちゃんとメールを読んで、書いてある内容を了解しましたよ」という意図を伝えるために、よかれと思って返信してくれるわけです。中には、「ちゃんと返信しないと、読んでいないと思って相手が不安になるかもしれない」と気を回してメールを送ってくれる人もいます。そのような人たちにあえて先のような言葉を伝えることで、「返信しなくて大丈夫なんだな」と思ってもらえばよいのです。
■大勢に宛てて送るメールでも効果発揮
また、日程調整のメールのやりとりであれば、「上記の日時でご都合が悪い場合のみご返信ください」や、「変更がある場合のみ○日までにご連絡ください」などと添えることで、徹底的に無駄を省いたメールが完成します。
忙しいのはみんな一緒です。了解メールを返さずにすめば、その分相手も時間を節約できます。
「返したほうがよいかな、どうかな?」と相手の悩む余地をあらかじめこちらで排除してあげることは、親切な配慮以外の何ものでもありません。
このような方法は、日程調整のメールのやりとりの他、大勢に宛てて送るような飲み会やイベントの案内メール、写真やちょっとした書類を共有するメール、荷物を送ったなどのお知らせメールで抜群の効果を発揮します。大勢の人から「了解しました」のメールが返ってくると、相手の親切心とはわかっていても、目を通すだけでかなりの時間を奪われてしまいます。ぜひ、「返信不要」の文言を活用してみてください。
■メールが見落とされるリスクを回避できる送信予約機能
秘書時代の私のボスたちは、毎日何百通という大量のメールを受け取っていました。日によっては千を超えることもありました。
そのような大量のメールの中に私が送ったメールが埋もれてしまい、ボスに見落とされたとしても不思議ではありません。しかし、読んでくれなかったメールが外部との調整に関する重要なものであれば、トラブルに発展する可能性がありますし、そうでなかったとしても私の仕事は滞ってしまいます。
また、大量の受信メールを順番にさばく中で、私の送ったメールをいつ見てもらえるかわかりません。できれば早く見てほしいところですが、それを指定することも不可能です。
このような問題を解決するのに便利なのが、メールの「送信予約機能」です。この機能を利用すると、送信時刻を指定して特定のメールを送ることができます。
私は、ボスがメールチェックを開始する朝の時刻に合わせてメールを予約送信していました。
受信トレイ(受信箱)では、通常、メールが届いた順に上へ上へとメッセージが積み重なっていきます。つまり、直近に届いたメールが一番上に表示されるわけです。
■相手が有給をとっているときでも自分の都合でメールを送れる
前夜から今朝にかけてボスのメールボックスには大量のメールが届いていますが、ボスのメールチェックのタイミングを把握してその時刻に合わせて予約送信することで、溜まりに溜まった大量のメールの中で一番上、あるいはその付近に私が送ったメールが表示されます。
そうすれば、見落とされる確率は低いうえ、すぐに対応してもらえるので、朝の早いタイミングで返信してもらえます。つまり、こちらの仕事がはかどるのです。
このようなケース以外にも、例えば朝一番に案内のメールや指示出しのメールを送る必要がある場合、送信予約を設定しておくと、送り忘れることも忙しくて後回しにしてしまうこともありません。
休日や相手が有給を取っている日など、メールを送るのが少々はばかられるようなときにも、相手の出社日に合わせて送信予約しておきます。そうすることで、自分のタイミングでメール対応作業ができます。
こういったメールの工夫は、簡単にできて自身にとっても相手にとっても時短につながります。ぜひ取り入れてみてください。
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森田 ゆき(もりた・ゆき)
パーソナルマインドトレーナー
Make Value Spirit 代表 。
秘書歴20年以上。バークレイズ、ドレスナー証券(現アリアンツ)、AIGなど外資系企業の役員秘書を歴任。2018年に独立し、「効率」と「充実」を両立させるライフスタイルの確立をサポートするオンライン起業サポートセッションを開始。現在は、オンラインとリアルの両方でイベントプロデュースを行うだけでなく、女性の可能性を最大限に引き出すマインドトレーナーとしても活動中。
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(パーソナルマインドトレーナー 森田 ゆき)
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