※本稿は、森田ゆき『賢い人の質と速さを両立させる時短100式』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■メールを溜めているだけでは意味がない
「あのメール、どこにいったっけ……?」と、必要な情報が記載されたメールを見つけるために過去のスケジュールを確認したり、受信トレイ内を検索したりと手間取ったことはありませんか?
検索してパッと一発で見つかれば問題ありませんが、中には同じ苗字の人や同じ会社の人、同じプロジェクトの別のメールがいくつも候補としてヒットしてしまい、そこからメールを一つひとつ確認して探す羽目になることもあります。
このような理由から、基本的にメールは受信しっぱなしにせず、不要になったら削除する、あるいは残しておくならフォルダ分けをして整理しておくことをおすすめします。
さらにメールを溜めっぱなしにしていると受信トレイの容量がいっぱいになり、メールを受信できなくなってしまう場合もあります。
そんな状況になるまで放っておいたら、削除するためのまとまった時間を取るのはかなり面倒だし手間です。であれば、普段から受信トレイを整理整頓しておいて、いつでも必要なメールをすぐ見つけられる状態にしておくほうが効率的です。
■不要なメルマガは「削除済みアイテム」にあえて入れない
まずやるべきは、不要なメールマガジンの登録(購読)解除をすることです。
そもそもメールが送られてこなければ、捨てる手間も整理する時間もいりません。取引先の発行するメルマガだから解除できないなどの理由があるものは、メルマガ用のフォルダを作り、自動振り分けを設定して、そこに入るようにしておきます。あえて「削除済みアイテム」に入れないことで、取引先と会う前などにタイトルだけチェックしたり、数通読むことで、相手との「話題」に使用することができます。そして、一定期間経ったらまとめて捨てればよいのです。
進行中のプロジェクトに関するメールや、保存しておく必要のあるメールは、「プロジェクト」「取引先」「内容」などのカテゴリー分けしたファイルを作成し、メールを読んで対応したあとはふさわしいフォルダに振り分けましょう。そうすれば、そのフォルダ内での検索が可能となり、必要になったタイミングでの検索がしやすくなります。
また、プロジェクトが終了するなどして不要になったメールや、読み終わった(あるいは読む気がない)メルマガはどんどん削除し、受信トレイの容量を節約しましょう。
■受信トレイはタスク管理ツールとして活用
メーラーを単に「メールをやりとりするツール」と考えているとしたら、少しもったいないかもしれません。実は、きちんと整理整頓された受信トレイは、タスク管理や思考を整理するためのツールとしても活用できます。
不要なメールを削除し、必要なものだけをカテゴリー分けしたフォルダに振り分ける作業を常日頃から行っていると、メーラーのトップ画面(受信トレイ)には、進行中のプロジェクトに関するメールや、あなたへの依頼や報告といった最新の連絡メールのみが並んでいる状態になります。つまり、受信トレイを見るだけで、現在のタスクをひと目で把握することができるのです。
そこに並んでいるメールの数が多ければタスクが溜まっている状態ですし、少なければタスクは順調に処理されている状態だと理解できます。
このときに注意してほしいのが、メーラーによっては送信・返信したメールが「送信済み」のフォルダに入ってしまい、トップ画面の一覧から消えてしまうことです。まだやりとりは完結しておらず、場合によってはこちらから返事を催促する必要が生じるかもしれないので、そうなってしまうと不便です。
■メール送信時に自分のアドレスをCcに入れるワケ
そこで、メールを新規送信したり、受け取ったメールに返信したりするときは、Ccに自分のアドレスを入れるようにしましょう。そうするとそのメールが「受信メール」としてトップ画面の一覧に表示され、返信待ちの状態であることが「見える化」されます。
また、タスク管理ツールとしてさらに便利に活用できるアイデアがもうひとつあります。仕事関連のタスクやアイデアを出先やプライベートの時間などに思いついたときは、スマホのメールにその内容を書いて自分宛に送信するのです。すると、仕事を再開して受信トレイをのぞいたときに受信メール一覧に表示され、「そうそう、このタスクをやらなきゃいけないんだった」といった具合にその場で対応することができます。メモをスマホなどに分散して保存するのではなく、確認するツールをひとつにまとめることで「どこに入れたかわからない」といった問題も解消できます。
■Ccの相手はできるだけ減らしたほうがいい理由
「とりあえず○○さんはCcに入れておいたほうがよいかな。あっ、じゃあ、□□さんと△△も……」と、どんどんCcの宛先を増やしてしまうことはありませんか? 「一応」「念のため」と、関係者をCcに入れたくなる気持ちはわかりますが、タイパの観点で言うと、Ccは最小限にすべきです。
なぜかというと、Ccに入れた人から返信がくると、その分メール対応に割く時間が増えるうえ、受信トレイの容量もかさむからです。
大前提として、Toは「要返信」、Ccは「閲覧のみでOK」、Bccは「閲覧の義務なし」ですが、Ccとはいえ自分にメールが送られてきたら「一応返信しておいたほうが親切かな……?」と考える優しい人が多いのも事実です。
このような理由から、「この情報は、本当にこの人にシェアすべきことだろうか?」と吟味するようにしましょう。やたらとCcの宛先を多くすると、本来その情報が不要な相手にもメールを送ることになり、相手の時間を奪ってしまうのです。
■添付ファイルは吟味する
また、メールに添付する画像やファイルなども、「とりあえずこれも送っておいたほうがよいかも」となりやすいものです。
しかし、これも吟味が必要です。
本当に必要なデータだけを送ることを習慣にすると同時に、社内メールの場合は添付ではなくURL(リンク)を記載する形でクラウドの社内フォルダを共有するとよいでしょう。そうすればメールの容量はかさばりません。
なお、社外の人に対してはセキュリティの観点上、社内フォルダを共有することは基本的にNGですのでご注意ください。
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森田 ゆき(もりた・ゆき)
パーソナルマインドトレーナー
Make Value Spirit 代表 。秘書歴20年以上。バークレイズ、ドレスナー証券(現アリアンツ)、AIGなど外資系企業の役員秘書を歴任。2018年に独立し、「効率」と「充実」を両立させるライフスタイルの確立をサポートするオンライン起業サポートセッションを開始。現在は、オンラインとリアルの両方でイベントプロデュースを行うだけでなく、女性の可能性を最大限に引き出すマインドトレーナーとしても活動中。
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(パーソナルマインドトレーナー 森田 ゆき)