AKOS AI、富士通のAIトラスト技術を活用し、AIシステムへの欧州AI規制法対応を支援するサービスを提供開始

富士通株式会社（注1）（以下、富士通）はこのほど、富士通が開発したAIトラスト技術のライセンスを、イタリアを拠点とし、企業のコンプライアンスに対応した責任あるAI開発を行うスタートアップAKOS AI（注2）に提供しました。AKOS AIは、本技術の活用により開発したAIガバナンスプラットフォームAKOS HUBを、EUのAI規制法に遵守したリスク管理、より一般的なAIガバナンスのサービスとして、2025年4月より企業や団体向けにグローバルに提供を開始します。このたび富士通がライセンス提供するAIトラスト技術は、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術であるAI公平性技術を含む５つから成り、包括的なAIガバナンスを提供することで、サービス導入に伴うリスクの軽減を可能にします。AKOS AIはこれらとAKOS HUBとコンサルティングを組み合わせ、企業や団体のリスクの軽減・排除を包括的に支援するサービスを提供します。両社は今後もEUのAI規制法への適合性評価支援によりお客様のAIサービスの透明性確保とリスク管理に貢献することで、信頼性の高いデジタル社会を実現します。2024年8月に発効したEUのAI規制法は、AIの安全な使用と信頼を確保するため、AIシステムをリスクレベルに応じて分類し、AIシステムがもたらすリスクに対応した上で、AIシステムが人々の健康や安全、基本的人権を守ることを目的としています。AIシステムのリスクカテゴリのうち最も高い、許容できないリスクを含むとされるAIシステムの利用を完全に禁止する規則は、EUのAI規制法の下で最初に施行される規則の1つとして2025年2月2日に適用されました。今後規制が進むにつれ、ハイリスクとされたAIシステムには透明性の確保やリスク管理システムの実装などが求められ、AIサービスの提供を計画する企業にとって課題となっていました。[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/93942/410/93942-410-2558f12800f06c250b41e105899d5010-1086x403.png?width=536&amp;quality=85%2C75&amp;format=jpeg&amp;auto=webp&amp;fit=bounds&amp;bg-color=fff ]図：AKOS HUBの主な構成および富士通が提供するAIトラスト技術AKOS AIが提供するAKOS HUBは、ノーコード/ローコードツールとAIガバナンスのパッケージを提供し、あらゆる規模や分野の組織に対して、公平性、堅牢性の担保とリスク管理を支援します。AKOS HUBは、以下のパッケージから構成されています。１．AIシステム導入時のEUのAI規制法への遵守をサポートするEU AI規制法準拠支援パッケージ本パッケージは、EUのAI規制法が定める法的義務を明確にするための複雑なプロセスを簡略化します。利用者が簡単なアンケートに回答することでAIシステムのリスクレベルを取得し、リスクレベルに対応した法的な義務の履行に必要な行動項目のリストを抽出します。そして抽出結果に応じて、AIシステムがコンプライアンスレポートを作成します。このパッケージは、AIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術であるAIコンプライアンス支援技術をもとにしたものです。なお、AKOS HUBにはこの他にも、AIマネジメントシステムの国際規格であるISO 42001や米国国立標準技術研究所（NIST）のAIリスクマネジメントフレームワーク（AI RMF）への準拠を支援するパッケージが用意されています。２．倫理ガイドラインに基づきリスクを洗い出すAI倫理影響評価パッケージAIシステムの倫理的影響を評価するためのプロセスを構造化したパッケージです。利用者がAIシステムの開発者やデータ提供者などのステークホルダー間の関係を入力すると、EUのAI規制法や過去に発生したAIに関するインシデントレポートを参照し、起こり得るAI倫理リスクをAI倫理影響評価結果として報告します。このパッケージは、AIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術であるAI倫理影響評価技術をもとにしたものです。３．AIシステムのリスク管理を確実かつ効率的に実施するAIリスク評価パッケージAIシステムの企画から運用まで、AIのライフサイクル全体にわたりリスク管理を支援するツールで、EUのAI規制などを遵守した証跡や対策の履歴を、プロジェクトごとに必要なアクセス制限をかけて管理し、問題の追跡や監査に活用できます。さらに、ガバナンス部門の責任者は、組織内のすべてのAIプロジェクトの状況を俯瞰的に把握することが可能です。このパッケージは、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術であるAIリスクマネジメントツールをもとにしたものです。４．AIモデルの公平性の検証や改善を行うAI公平性検証パッケージデータ前処理、学習時、予測時の全フェーズで、AIモデルのバイアスに関わる倫理的な問題に対処するためのパッケージです。中核となる富士通が開発した交差性バイアス検知・緩和アルゴリズムは、性別、年齢、人種など複数の属性に関わる公平性を扱うことが特長です。また、公平性と予測精度の評価基準を実装しており、AIの予測精度と多様な公平性のトレードオフをつまびらかにし、最適なモデル選択が可能になります。このパッケージは、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術であるAI公平性技術をもとにしたサービスが含まれています。５．大規模言語モデル（以下、LLM）に潜むバイアスを多様な視点で診断するLLMパッケージ 人間の知識や価値観に関連する様々なトピックに関する、LLM全体のバイアス評価が可能です。利用者は一般に公開されているLLMや、事前学習あるいはファインチューニングした独自のLLMを評価できます。このパッケージには、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術であるLLMバイアス診断技術をもとにしたサービスが含まれており、持続可能な開発目標の気候変動、ジェンダー平等、医療、教育の4つのテーマにおけるLLMの回答に含まれるバイアスを診断することができます。他にもOWASP（注3）が提供するセキュリティガイドラインに基づくLLMの評価を可能にするサービスなどが用意されています。富士通株式会社 技術戦略本部 ビジネスインキュベーション統括部長 Josyula Suryaのコメント当社は、経済協力開発機構（OECD）、AIに関するグローバルパートナーシップ（GPAI）、AI Safety Institute（AISI）などの主要な組織のメンバーとして、AIの信頼性と倫理に関するグローバルスタンダードの策定に取り組むパートナーや、標準化機関、業界規制機関と緊密に連携し、主導的な役割を担ってきました。当社は、テクノロジー企業として、これらの基準に基づき研究開発を行い、新しいソリューションを提供することで、社会にとって安全で信頼できるAIの普及を促進することを目指していきます。AKOS AI Chief Executive Officer and Co-Founder Alberto De LazzariのコメントAIソリューションの導入の増加に伴い、企業は倫理的かつ公正なAIの利用など、新たな課題に直面しており、健全なガバナンスの推進が求められています。AIガバナンスプラットフォームであるAKOS HUBは、企業によるAIの法的、倫理的、運用面の管理と監督を支援し、責任あるAIの利用をサポートしていきます。今後の予定両者は今後、AIを搭載したシステムやAIそのものの機密性、可用性を損なう可能性のある脅威や攻撃を確実に防止する技術の開発にも取り組んでいきます。両者は今後も、企業の変革と持続可能な成長を促進するAIの開発を通じて、イノベーションと地球環境保全の両立に貢献していきます。商標について記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。注釈注1富士通株式会社：本店 神奈川県川崎市中原区、代表取締役社長 時田 隆仁（補足：掲載先メディアや閲覧環境の仕様によっては、「隆」の文字が正しく表示されない場合があります。正しくは、「隆」の「生」の上に「一」が入ります。）注2AKOS AI：本社所在地 イタリア共和国 南部ナポリ、Chief Executive Officer and Co-Founder Alberto De Lazzari注3OWASP（Open Worldwide Application Security Project）：ソフトウェアのセキュリティ向上に取り組む非営利組織 https://owasp.org/about/関連リンク富士通のAI倫理技術AI倫理ガイドラインに基づきAIシステムの倫理上の影響を評価する方式を開発、手順書や適用例とともに無償公開（2022年2月21日プレスリリース）富士通のAI倫理ガバナンス本件に関するお問い合わせ富士通株式会社富士通コンタクトライン（総合窓口）0120-933-200（通話無料）受付時間： 9時～12時および13時～17時30分（土曜日・日曜日・祝日・富士通指定の休業日を除く）お問い合わせフォーム当社はセキュリティ保護の観点からSSL技術を使用しております。プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容などは発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。企業プレスリリース詳細へ : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000410.000093942.htmlPR TIMESトップへ : https://prtimes.jp