環境省「PFOS等の濃度低減のための対策技術の実証事業」に採択

EFTとウシオ、PFASの回収から無害化まで一貫処理する革新的技術を実証へ株式会社エマルションフローテクノロジーズ（本社：茨城県那珂郡東海村、代表取締役社長：鈴木裕士、以下「EFT」）とウシオ電機株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：朝日崇文、以下「ウシオ」）が共同で申請した技術実証が、環境省の「PFOS等の濃度低減のための対策技術の実証事業」に採択されました。本実証事業では、PFAS（有機フッ素化合物）を高効率に回収・濃縮し、さらに光分解により無害化するまでの一貫処理プロセスの社会実装を目指します。 1．背景：PFAS処理が求められる理由 PFASは、その優れた撥水性・耐熱性から、食品包装、調理器具、消火剤、半導体製造など幅広く利用されてきました。しかし、PFASは極めて分解されにくく、体内や環境中に長期間残留することから「永遠の化学物質」とも呼ばれ、発がん性や免疫機能への影響が懸念されています。中でもPFOS（ペルフルオロオクタンスルホン酸）およびPFOA（ペルフルオロオクタン酸）は、ストックホルム条約により規制対象とされており、日本国内でも製造・輸入が原則禁止されています。さらに、これまで水環境および水道水中の暫定目標値として運用されていた50ng/Lが、令和8年4月から水道法に基づく水質基準値として正式に設定される予定です。しかしながら、近年ではこの基準を超える高濃度のPFASを含む排水や浸透水が全国で確認されており、対策技術の確立が急務となっています。 2．技術概要：回収と分解を連携した革新技術 ■ PFASを選択的に回収・濃縮する「エマルションフロー」（EFT） エマルションフローは、日本原子力研究開発機構で開発された革新的な溶媒抽出技術であり、ミキサーセトラーなどの従来の溶媒抽出技術に比べて4～10倍の処理能力であり、75％以上の装置小型化を実現できます。EFTはこの技術を応用し、ppmレベルの濃度でPFASを含む工場排水や産業廃棄物処分場の浸透水や放流水から、短鎖から長鎖までの多様なPFASを効率的かつ低コストで選択的に分離・濃縮するプロセスを確立しました。最大で1万倍以上の高濃度濃縮も可能で、残渣減容化、焼却処理負荷軽減、そしてCO２排出削減にも貢献します。 [画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/82075/19/82075-19-3b787632c1c0f83d5f0a994abeab33e8-3900x1631.jpg?width=536&amp;quality=85%2C75&amp;format=jpeg&amp;auto=webp&amp;fit=bounds&amp;bg-color=fff ]■ 光分解による無害化技術（ウシオ） ウシオの光分解技術は、触媒、添加物を用いることなく、水溶液中のPFASに対して、直接、光を照射して分解する国内初の新技術です。波長172nmのエキシマランプとOHラジカル、水和電子の反応を組み合わせることで、常温・常圧でppmレベルの高濃度PFASを短時間で99%以上分解が可能であり、フッ酸やCO2まで無機化することができます。 [画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/82075/19/82075-19-0c184135f4b651808b687b093163e102-800x225.jpg?width=536&amp;quality=85%2C75&amp;format=jpeg&amp;auto=webp&amp;fit=bounds&amp;bg-color=fff ]■ 技術連携 エマルションフローと光分解技術の連携により、PFAS排水を効率的かつ確実に処理し、焼却処分を伴わずに無害化することが可能となります。したがって、従来の活性炭による処理と比べて、低コストにCO2排出量を98％以上削減できる持続可能な処理方法を実現できる見込みです。また、分解後の溶液にフッ化カルシウムを投入すれば、蛍石として回収が可能となり、フッ素の再利用も現実的になります。 [画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/82075/19/82075-19-b72dcf90eb96fecbbd8849db1f0b80c7-3900x1727.jpg?width=536&amp;quality=85%2C75&amp;format=jpeg&amp;auto=webp&amp;fit=bounds&amp;bg-color=fff ]3．実証事業の概要 本事業では、以下の2拠点から採取される実排水を対象に、回収から無害化までの処理性能を検証します。 - 京都府の産業廃棄物最終処分場：PFAS濃度 約600ppbの放流水 - 熊本県の産業廃棄物最終処分場：PFAS濃度 約4ppbの浸透水 処理対象となる排水中のPFOSおよびPFOAを効果的に低減し、安全かつ環境負荷の少ない形での無害化処分を目指します。 本事業の詳細につきましては、こちらをご覧ください。4．今後の展開 EFTでは、エマルションフローによるPFAS回収技術を特許出願済みであり、すでに事業化に向けたプラント開発も本格化しています。今回の実証事業を通じて、従来の工場排水だけでなく、産業廃棄物処分場の浸透水など多様な排水源への対応可能性を検証し、社会実装に向けた技術の完成度を高めてまいります。さらに、PFAS汚染地の修復等、時限的な回収ニーズに対応すべく、簡易的に設置可能なコンテナ型プラントの開発およびリースモデルの検討も進めています。誰もが使えるPFAS処理技術として、数年以内の実用化・普及を目指し、技術開発を着実に推進してまいります。 会社概要 社 名： 株式会社エマルションフローテクノロジーズ 所在地： 茨城県那珂郡東海村白方7番地5 設 立： 2021年4月5日 代表者： 鈴木 裕士 事業内容： ・リチウムイオン電池のレアメタルリサイクルを中心とした資源循環事業 ・PFAS等の環境汚染物質回収を目的とした環境ソリューション事業 ・抽出プロセスの開発からプラント設計・導入までを支援する受託開発サービス 公式サイト： https://emulsion-flow.tech お問い合わせ先 担当：広報担当 橋本 メール： eft_info@emulsion-flow.tech 企業プレスリリース詳細へ : https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000082075.htmlPR TIMESトップへ : https://prtimes.jp

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