愛知県に拠点を置き、60年以上にわたり特殊鋼のプロフェッショナル集団として日本のモノづくりを支えてきた中島特殊鋼。

同社はホールディングス体制への移行に伴い、事業会社「株式会社Ntoc(エヌトク)」を新設するという大きな決断を下しました。


※ホールディングス体制とは、グループ全体の戦略・管理を担う「純粋持株会社」を頂点に、複数の事業会社(子会社)を傘下に置く経営組織のこと

素材の販売から切断・加工領域へと事業を拡大し、非鉄金属や複合材までも扱う次世代の企業へと進化を続ける同社ですが、その変革の背景にはどのような目的があったのでしょうか。

創業当初から大切に引き継がれてきた合言葉「鋼に心(HEART to STEEL)」に込められた想いや、未来を共につくる新たな仲間への期待について、中島社長に話を伺いました。

60年の歴史と新たな進化。ホールディングス化と「Ntoc」の誕生

社名「Ntoc」に込めた変革への想いとは?代表特別インタビュー


-- 長年、実績を積み上げてきたこのタイミングで、ホールディングス体制へ移行し、新事業会社「株式会社Ntoc」を設立した背景について教えてください。

中島社長:

弊社は創業から60年以上が経過し、時代の変化とともに事業内容も大きく広がってきています。

当初は特殊鋼を中心とした素材の販売がメインでしたが、お客様の多様なニーズに応えるうちに、切断や加工といった製造分野へも領域を拡大してきました。

扱う材料も今では非鉄金属やパイプ材、さらには金属以外の複合材にまで広がっています。

お客様からは「特殊鋼屋さんがこんなことまでやってくれるのか」という驚きと喜びの声をいただくほどになりました。

そんな中で、事業を将来にわたって継続させ、さらに新たな事業に挑戦していくためには、今の会社の実態や未来のビジョンにふさわしい社名にするべきだと考えたのです。

「株式会社Ntoc」として社名変更を伴うホールディングス化を行うことで、社内のメンバーには新たな挑戦を促し、外部の方々には「新しい考えで仕事に当たる会社である」とアピールする絶好のタイミングだと決断しました。

-- 新社名「Ntoc(エヌトク)」には、どのような想いが込められているのでしょうか。

中島社長:

大きく5つの想いを込めています。
まず「N」は、旧社名である中島特殊鋼からの思いを引き継ぎつつ、日本の製造業を支えてきた自負と誇りを持ち、「日本一(No.1)」を目指す企業になるという決意です。

「T」は、当社の祖業であり主製品である特殊鋼のT。私たちが大切にしている「鋼に心」を忘れないことと、社訓の第一項「信用を第一義とする(TRUST)」を受け継いでいます。

「O」は「One Team」。組織の一体感を持って地域や業界で一番を目指す企業となること。

そして「C」には2つの意味を持たせました。

一つは、弊社の得意分野であり日本一の切断数を誇る「Cutting(切断)」。

もう一つは、お客様や社員に対して思いやりを持って接する「Consideration(思いやり)」です。

これらすべての想いを結集したのが「Ntoc」という名前です。

無機質な特殊鋼に「心」を。東海豪雨を乗り越えた強固な絆

社名「Ntoc」に込めた変革への想いとは?代表特別インタビュー


-- 貴社のスローガンである「HEART to STEEL(鋼に心)」「創業時から変わらない、チャレンジ精神」。これらは長い歴史の中でどのように培われてきたのでしょうか。


中島社長:

私たちが扱う特殊鋼という素材は、硬くて無機質で、冷たい印象を与えがちです。

しかし、それを扱う私たちは「心を込めて加工する」こと、そして「お客様が使いやすいように工夫してお届けする」ことを、創業時から当たり前のように続けてきました。

無機質な製品であっても、そこに心を通わせる努力を長く重ねていれば、必ずお客様からの信頼を得られますし、「Ntocの製品でなくては困る」と思っていただけるようになります。

-- その「心」が通い合った、象徴的なエピソードはありますか。

忘れられないのは、2000年にこの地域を襲った「東海豪雨」です。

中島社長:

弊社の工場も浸水し、甚大な被害を受けました。本当にこれからどうなることかと思ったその時、多くのお客様が工場の片付けに駆けつけてくださったのです。

泥だらけになりながらも、私たちの復旧を助けていただいたあの日のことは、今でも昨日のことのように鮮明に覚えています。

あの時いただいた温かいご支援は、私たちが特殊鋼製品を通じてお客様と確かな信頼関係を築けていた証なのだと深く実感し、感謝しました。

その時の感謝の気持ちを絶対に忘れないための合言葉として、今も「鋼に心」という精神を継承し、製品をお届けしています。

現状維持は後退。持続可能な成長とDXで未来を切り拓く

社名「Ntoc」に込めた変革への想いとは?代表特別インタビュー


-- ホールディングス化によって経営の自由度やスピードが増す中で、今後の事業戦略はどう進化していくのでしょうか。


中島社長:

現在の日本において、特殊鋼の需要が劇的に増加するとは見通せません。しかし、産業を根底から支える特殊鋼が世の中から無くなることも決してありません。

大切な特殊鋼を真に使いこなすためには、正しい専門知識、学び続ける姿勢、そして様々なことに対する「好奇心」が不可欠です。

今後はこれまで以上に、他企業様との連携や提携、場合によっては吸収・合併なども含めて視野に入れています。

素材から製品に至るまで工程が多い業界ですから、下工程への進出は常に念頭に置いていますし、お客様と協議をしながら他地区への進出も検討していくつもりです。

自社とのシナジーが見込める事業であれば、機を見て果敢に進出していきます。

-- サステナビリティやDXといった現代の経営課題には、どうアプローチされていますか。

中島社長:

事業の継続と発展を目指す上で、サステナビリティとDXは必須項目として捉えています。

弊社のお客様の多くは日本を代表する大企業です。まずは彼らが求める環境対応にしっかり応え得る体制があること。

そしてそれだけでなく、お客様のサプライチェーンを守り抜くことが肝要だと考えています。そのために多様な人材を採用し、企業の強靭化を進めているところです。


DXにおいては、昨年から「経営企画室」を立ち上げました。

専任者を中心にデジタル化のスピードを上げるだけでなく、社内のあらゆる「困りごと」の解決を目指しています。

DX推進が、結果としてみんなにとって働きやすい職場環境を作り、生産性の向上に繋がっていくことを期待して活動しています。

多様な才能が輝く場所。「Ntocマインド」が育む強いチーム

社名「Ntoc」に込めた変革への想いとは?代表特別インタビュー


-- 新体制のもと、社員の皆様にはどのような役割を期待していますか?

中島社長:

弊社の社員は皆、これまでもお客様のご要求に応えるべく真面目に働き、最善を尽くして改善を重ねてきてくれました。

しかし、これからの時代は自らが目標を持ち、前向きに進んで提案し解決できる組織へとさらに強化していく必要があります。

そのためには、互いに思いやりを持ち、コミュニケーションを取りながら仕事を前に進めていく会社でなくてはなりません。

皆がレベルアップを実感し、働き甲斐を感じられるよう、仕組みを意識した教育体系も組み立てています。

このような取り組みを継続していくことがお客様の信用を得続け、必要な会社として将来にわたって存続できる道だと確信しています。

-- 「多様な仲間と、これからをつくる多才な会社でありたい」という採用メッセージについて教えてください。

中島社長:

私たちの仕事は、大きな仕事の隙間を埋めたり、他の企業同士の仲立ちをして協力し合うような役割が多くあります。

だからこそ、様々な才能や独自の視点を持った人が活躍できる場所が豊富に用意されているのです。


これまで培ってきた専門性や経験値と同じくらい、「コミュニケーション能力に秀でている人」や、逆に「物事を真剣に捉えて深く考察できる人」など、本当に様々な個性を持つメンバーが在籍しています。

そうした多様な人材が共に働きやすい職場の指針として、社員自身が「Ntocマインド」という心得を制定して実践しています。

また、外部教育を含めた様々な成長の機会も積極的に提供するようにしています。

現在はワークライフバランスを意識しながら管理を行っており、個人に頼り切らなくても仕事が回るよう、DX化を進めるとともに多くの仕事や機械を扱える「多能工化」も推進しています。

まずは柔軟な気持ちで働いていただけると嬉しいですね。様々な種類の仕事があるということは、それだけ様々な経験ができる楽しみがあるということです。

ぜひ前向きに捉えて、個々のスキルアップとともに強固な組織への成長を一緒に目指してほしいです。

求職者へのメッセージ。共に日本を「世界最高の産業国」へ

社名「Ntoc」に込めた変革への想いとは?代表特別インタビュー


-- 最後に、変革期にある貴社で自らを成長させたいと考える求職者の方へメッセージをお願いします。

中島社長:

今、日本の製造業は大きな岐路に立たされています。

これまで先人たちが築き上げてきた技術製造大国・日本。それを根底で支えてきた素材産業の雄として、特殊鋼が存在しています。


私たちは、その重要な機能を支え続けるために存在していると自負しております。

新しく入社される方には、まずは特殊鋼の持つ強みをしっかりと勉強して欲しいですね。

そして、お客様に対して適材適所の提案ができ、後工程にまで心配りができる真の「企業人」へと成長していただきたいと願っています。

私たちと一緒に、もう一度日本を「世界最高の産業国」へと押し上げましょう。

皆さんの新しい挑戦を、心からお待ちしています。
編集部おすすめ