2026年W杯予選で日本代表相手に2試合で計10失点するなどして予選敗退が決まった中国。E-1でも敗れた日本相手には1998年以降、27年間も勝てていない。

その中国代表は近年、帰化選手でチーム強化を図ってきた。2021年に帰化して中国代表入りしたブラジル人FWアロイージオもそのひとり。

彼は2014年からプレーしていた中国に帰化すると、33歳で代表デビュー。2021年のW杯予選で日本とも対戦している。

2020年から2022年までは中国の強豪だった広州恒大でプレーしていたが、深刻な財政難に陥った同クラブを退団。2022年にブラジルに戻ってプレーしたのち、2024年に引退した。

37歳になったアロイージオは、『Na Liga』でこう明かしたそう。

「代理人は中国リーグに行くことを望んでいなかったが、オファーがあまりにもよかったので行かざるを得なかった。

ある日、とある人物から電話があり、中国国籍取得について話し合いたいと言われた。自分は全く話したくなかったが、『それは違う。あなたは中国に5年も住んでいるので国籍は変更できる』と言われた。代理人がすぐに介入してくれて、それから話し合いが続いた。

15分ほど後、代理人から交渉はほぼ完了したと告げられた。そこで『どうなっているのか?』と尋ねた。代理人は、記入用の書類を送ってくれれば、帰化できると言った。

当時の年俸よりもはるかに高い金額で広州恒大に3年半の契約で入団することになった。

代表チームでプレーできるチャンスが与えられるのはいいことだと思った。国際試合でプレーしたことがないことを補えるからね。

だから当時はお金のことはあまり考えていなかったが、あの男(代理人)はそればかり考えていた。もちろん、お金があればブラジルでより快適な生活を送ることができる。

中国を離れて3年が経ったが、自分はまだ中国人だ。中国国籍になった時、正直言って、絶対代表チームに入るとは思っていなかった。当時はもうすぐ引退という年齢だったからね。幸いにも代表戦には出場したが、W杯には行けなかった。

当時契約はまだ終わっていなかったが、中国に戻ってみると、所属チーム(広州恒大)はほぼ潰れかけていた。彼らは金を払えず、自分は中国を去らざるをえなかった。契約はあと1年残っていたが、金はもらえなかった。

さらに、当時、中国スーパーリーグのルールも変更され、外国人選手の年俸が大幅に下がった。中国にいた頃、ビッグクラブからオファーを受けていたが、年俸が低すぎて、最終的にブラジルに帰国することを決意したんだ」

残り1年あった広州との契約でもらえるはずだった給与は受け取ることができなかったようだ。多額の負債を抱えた広州は、2024年シーズン後にクラブ解散となり消滅。

かつて中国リーグは世界的スターたちを爆買いしていたが、2021年に給与制限が導入され、外国人選手の給与も制限されることになった。

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