日本サッカー界が生んだ不世出のストライカー、釜本邦茂さん(享年81)が10日に亡くなったことを受け、歴代4位の通算37得点の元日本代表MF本田圭佑(39)は、自身考案の育成年代の4人制サッカー「4v4」の初の国際大会後に、幼少期の思い出とともに追悼した。

 日本サッカー界最高のストライカーは、本田にとっても特別な存在だった。

突然の悲報に接し、報道陣の前で明かしたのは幼少期の記憶だった。小2でサッカーを始めた直後、釜本さんが主催するサッカースクールに参加していたという。「父親が釜本さんが大好きだったので、僕だけすごく興奮していたのを覚えています。大人と子どもで試合をして、釜本さんのところに思い切りボールを取りにいった。もちろん取れなかったけど、印象的でした。風景と臨場感を覚えている」と振り返った。

 その原体験は、サッカー人生をスタートさせたばかりの本田少年に大きな影響を与えた。だからこそ「僕にとっては、サッカーを始めた時にものすごく影響を受けた一人です。残念です、本当に」と思いを明かした。

 圧倒的な記録の偉大さも再認識した。本田は08年に代表デビューし、W杯では3大会連続得点をマークするなど歴代4位の代表通算37得点を記録。ただ、その頂点には日本史上歴代最多の国際Aマッチ75ゴールの釜本さんがいる。

同じ日の丸を背負って戦ったからこそ、そのすごみを実感する。

 「僕にはなれなかった、点取り屋としての記録保持者。その印象を国民の方に与えているのは、唯一無二だと思っています。今のところ、代表で記録を抜く選手が出てくる姿は想像できないですし、すさまじい記録」

 さらに、釜本さんの残してきた言葉にも目を向けた。「時代、サッカー界は変わってきましたけど、ストライカーに必要な能力、考え方は、いまだに釜本さんのコメントを見ても、たくさん学べることがあるんじゃないかな」と本田。偉大なレジェンドの魂の継承も期待した。(後藤 亮太)

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