
J2第17節ベガルタ仙台vsファジアーノ岡山戦が仙台ホームで26日に行われ、岡山が4-1で大勝を飾った。今季加入したMF岩渕弘人が2点目となる決勝弾を仙台ゴールに叩き込み、長期離脱中のFWグレイソンのユニフォームを掲げた。
勝負を決めたのは岡山が誇るどん欲なゴールハンターだ。的確なポジショニングと狡猾な動き出しで仙台守備陣の視野から外れるようにゴール前に侵入した岩渕は、FWルカオが落としたボールを右足一閃。後半1分に決勝点をゴール右隅へ突き刺した。
背番号19は「クロスが入るときに中へ入ろうかなと思ったんですけど、ルカオと(早川)隼平がいて、ファーで待っていようかなと思ったら、うまくこぼれてきて枠へ行くように抑えて打った結果良かったです」と白い歯をこぼした。

岩手県一関市出身の岩渕。この日は家族や友人がユアテックスタジアム仙台に駆けつけてきた。「きょうも50人ぐらい自分の友達、親戚、親が来ていた中だし、小学校からプロサッカー選手になるという夢を与えてくれたスタジアム。絶対やってやろうという強い気持ちはありました」と思い出深いスタジアムでのゴールに笑顔がはじけていた。
同僚に捧げる決勝ゴール
今月3日のJ2第13節アウェー・モンテディオ山形戦で負傷退場したグレイソンが20日に、左膝前十字じん帯断裂、左膝外側・内側半月板損傷と全治8カ月の大ケガを負って手術やリハビリのため、ブラジルへ帰国した。
岩渕自身もいわきFC在籍時の2022年10月末に右前十字じん帯損傷、外側半月板損傷と全治6カ月の大ケガを負った。それだけに長期離脱中のグレイソンに思いを寄せる背番号19はベンチに飾ってあったグレイソンのユニフォームを力強く掲げた。

「自分も同じケガをして苦しい思いをしたのもあるし、今年一緒にやってきてチームの力になっていた選手が悲しい結果になった。
グレイソンは今季リーグ戦13試合3得点4アシストとチームをけん引する大型エースストライカーだった。そのためチームにとって大きな打撃になってしまったが、その思いを岩渕が引き継ぐ。
「グレイソンは人柄もいいし、チームのためにと頑張れるすごくいい選手。悔しいと思うんですけども、それを自分たちにあまり見せなかった。ブラジルに帰ったら苦しい時間があると思うので、その苦しいときは自分もそうだったんですけど、一人じゃないとチームメイト、サポーターから言われることはすごく励みにもなるので、これからもグレイソンと共に戦っているよとみんなで示していきたいです」
今季はゴールを決めた3試合はすべて勝利しており、13試合3得点4アシストとチームの白星に大きく貢献している。狡猾に相手ゴールに迫り、泥臭くゴールを奪うストライカーは燃えていた。
次節対戦するジェフユナイテッド千葉は直近6試合で2分4敗と勝ち星がない。報道陣にジンクスを問われると、ストライカーは一蹴する。
「(昨季から)半分ぐらいメンバーが変わっているので、ジンクスはないと思う。今年のメンバーでいま自信を持ってやれている。
勝利を運ぶストライカー岩渕が次節も勝利に導くゴールを挙げて、チームの悲願であるJ1昇格へとけん引してみせる。