今季からニュージーランドのオークランドFCでプレーしている元日本代表DF酒井宏樹。
35歳になったベテランは、オーストラリアのAリーグに越境参戦している新興チームを初代キャプテンとして牽引している。
オークランドは創設1年目にしてAリーグのレギュラーシーズンで1位になる大躍進を見せ、現在は優勝チームを決めるプレーオフを戦っている。
そうしたなか、『NZ Herald』は、「オークランドにとって、ターニングポイントのひとつは日本のスター、酒井宏樹の獲得だった」と伝えていた。
「オークランドFCは、酒井を獲得することで、質の高い選手であり、将来を担うリーダーを獲得できると確信していた。
彼らが知らなかったのは ――今は確実に知っているのは ――酒井がにどれほどの情熱を注ぎ、この新しいクラブをどれほど大切に思っていたかということだった。
オークランドの成功には多くの要素があったが、酒井の存在とパフォーマンスは計り知れないほど大きな要因だった。
『彼の影響力を過小評価してはならない。彼のあらゆる行動におけるプロ意識は、このクラブの未来を形作るだろう』とオークランドのフットボールディレクターは語っている。
酒井は大物だ。ビッグネームと肩を並べ、最高の舞台でプレーしてきたが、驚くほど控えめで、地に足が着いた、真のチームマンだ。これはサッカーの世界ではなかなか見られないことだ。
あるチームメイトはこう言った。『あんなに謙虚で礼儀正しいリーダーがいるのに、どうしてここで偉ぶれるんだ?』
酒井が初めてチームに加入した時、若い選手たちはサインや写真をねだってきた。
輝かしいキャリアを持ちながらも謙虚さを失わないという酒井は、環境の変化も楽しんでいるようだ。
オークランドの環境はフランスのマルセイユや浦和レッズとは状況が異なるが、「新鮮です。まるでタイムスリップしたみたいですね。サッカー選手として、今まで甘やかされすぎてきましたけど、ここでは自分たちで(何かを)準備したり、チームのために荷物を運んだりしないといけない。ベテランの選手たちは、みんなそういうことをやっています」と語っている。
食事面にも気を遣い、日本食を豊富に摂取しており、味噌汁や納豆をスーパーフードに挙げていたそう。
ただ、「サッカーでストレスを抱えたくないんです。お酒を飲みたくなったら飲みます。メンタルに良いんです。飲みすぎずに、グラス1~2杯ですが」とも話していたとのこと。
酒井擁するオークランドは、メルボルン・ヴィクトリーとのプレーオフ準決勝1stレグに1-0で先勝。24日に行われる2ndレグを制すれば、ファイナルに進出できる。