
最終成績
20位:10勝23敗5分、得点48/失点 68(-20)
スターティングイレブン
チーム内 MVP
朴一圭(パク・イルギュ)
シーズンベストバウト
35節 サガン鳥栖 vs FC町田ゼルビア
シーズンベストゴール
36節 横浜F・マリノス戦 原田亘
総評
苦しみ抜いた一年間でした。川井健太前監督と共に浪漫を求めるパスサッカーを目指し、完成形を見せるはずのシーズンでした。
開幕戦のアルビレックス新潟との試合はその兆しを見せ、翌2節の北海道コンサドーレ札幌戦で札幌に退場はあれど、4発を叩き込んでシーズン初勝利。順調に思われたシーズンの出だしでした。
続く3節のサンフレッチェ広島とのアウェイゲーム。ここで弱点が露呈してしまいます。ポジションを流動的に入れ替えて戦っていた川井・サガンは、「移動コスト」の問題で「ネガティブ・トランジション」いわゆる攻撃から守備の切り替えに適応できないことに気付かされます。
対するサンフレッチェ広島はトランジションを発生させても強く振る舞えるチーム。そこを突かれて4失点を喫して完敗。今シーズンはここが分岐点だったと思います。
本当にこれでいいのか?というか空気感はありましたし、「ハマれば強い、ハマれば上手い」と言う状態でシーズンを過ごしていた印象です。
自分たちにベクトルを向け過ぎた結果、リスクとリターンの収支にバグを起こしてしまった印象を受けます。それゆえに必然の崩壊だったのかもしれません。
さらに夏に主力を多く失ったことも降格の原因だと思います。

横山歩夢(バーミンガム)、手塚康平(柏レイソル)、長沼洋一(浦和レッズ)、菊地泰智(名古屋グランパス)、河田篤秀(ザスパ群馬)、樺山諒乃介(ザスパ群馬)、長澤シヴァタファリ(水戸ホーリーホック)が次々と移籍。チームを作り直さなければならない状況になってしまいました。
特に横山歩夢、長沼洋一、菊地泰智はチームの中心として、サガン鳥栖を支えていました。補強も的確でしたが、やはり馴染むための時間が短過ぎました。川井監督の解任も既定路線だったのかもしれません(監督交代後に河原創も川崎フロンターレへ移籍)。
ここから木谷監督になり「解任ブースト」に一縷の希望を抱きます。
しかし「解任ブースト」はサッカー界の迷信の一つ。試合内容に目を向けると、川井前監督と同様にポジションの入れ替えやサポート距離感の管理がおざなりになっており、同じ課題を抱えたまま勝てない試合が続いてしまいました。

そして34節の京都サンガF.C.で降格が決定。低空飛行のまま終わったJリーグの戦いだったかもしれません。
しかし35節のFC町田ゼルビア戦。この一戦で442にポジションを変更し、吹っ切れたように好パフォーマンスを発揮。
苦しい一年でしたが、その苦しむ理由が明確にあったサガン鳥栖。改めてリスクとリターンの収支を考えるべきかもしれません。
今シーズンも本当にお疲れ様でした!