
トップレベルの選手たちでも、「無敵のシーズン」を経験できる者は少ない。ただ、時には誰にも止められることがないのではないかと思えるほどの無双状態を保てるスーパースターもいる。
今回は『GIVEMESPORT』から「無敵のシーズンを過ごしたことがある10名の選手たち」をご紹介する。
ゲルト・ミュラー
無敵だったシーズン:1969~70
国籍:ドイツ
ドイツサッカーの象徴ともいえるゲルト・ミュラーは、1969–70シーズンにおいて連続16試合得点という驚異的な記録を打ち立てた。彼の得点感覚は、相手ディフェンダーにとって常に脅威であり、ゴール前での冷静なフィニッシュは、まるで計算されたかのようだった。
彼はチーム全体の戦術に深く関与しながら、純粋な得点源として勝利に導く指針を作り出した。そのシーズン、彼の活躍はバイエルンとミュラーの黄金時代を築く上で欠かせない役割を果たしたといえる。
ロベルト・レヴァンドフスキ

無敵だったシーズン:2019~2021
国籍:ポーランド
現代サッカーにおけるパーフェクトなストライカーといえるロベルト・レヴァンドフスキは、2019~2021年の間にブンデスリーガでシーズン41得点という記録を打ち立てた。
彼の冷静なフィニッシュとあらゆる状況でゴールを狙う攻撃力は、世界中のディフェンダーを悩ませつづけた。UEFAチャンピオンズリーグでも重要な局面でのゴールが際立ち、クラブとしてのタイトル獲得に多大な貢献を果たした。
レヴァンドフスキの無敵のシーズンは、数字以上にその存在感と一瞬一瞬の決断力に裏打ちされたものだった。
カリム・ベンゼマ

無敵だったシーズン:2021~2022
国籍:フランス
長年、クリスティアーノ・ロナウドに隠れた影の存在とされてきたカリム・ベンゼマであるが、パートナーが退団したあとで真価を発揮。ラ・リーガやチャンピオンズリーグといった厳しい舞台で、彼はオールラウンドな攻撃の中心として台頭した。
決定的なゴールや華麗なアシストにより、彼は単なる得点機ではなく、戦術眼に優れた中心選手としての評価を確立した。特にチャンピオンズリーグでの得点力は、何度も印象的な逆転劇を生み出し、ファンにとっては忘れがたい瞬間となった。ベンゼマの無敵シーズンは、チーム全体の士気を高める力を持っていたほか、試合の流れを劇的に変える力を発揮した。
アーリング・ハーランド

無敵だったシーズン:2022~2023
国籍:ノルウェー
若さと爆発的なフィニッシュワークを兼ね備えたアーリング・ハーランドは、マンチェスター・シティへの加入直後からその圧倒的な存在感を見せつけた。2022–23シーズンの成績は38試合で36ゴール、さらにはその中で6度のハットトリックを記録するなど、その得点能力はまさに驚異的だった。
彼のフィジカルの強さと、瞬間的な判断力、常に最適なポジショニング。まるでゴール前に嵐をもたらすような点取り屋である。相手ディフェンスの組織を乱し、試合のテンポを一変させるパフォーマンスで、これから何年もの間伝説を作り続けることになるだろう。
ルイス・スアレス

無敵だったシーズン:2013~2014
国籍:ウルグアイ
ルイス・スアレスは、リヴァプールで戦った期間は短いものの、プレミアリーグで非常に印象的なシーズンを過ごした。前シーズンに受けた長期の出場停止という苦い経験を乗り越え、33試合で31ゴール、13アシストという数字を叩き出した。
彼のプレースタイルは、対峙するディフェンダーにとっては予測不可能なもの。瞬間的な反応スピードと鋭い動きは常に試合の流れを変え、狡猾なプレーであらゆる相手を混乱させた。
ティエリ・アンリ

無敵だったシーズン:2002~2004
国籍:フランス
プレミアリーグ史上最高の選手として広く称えられるティエリ・アンリ。アーセナルでの活躍によりその名を不朽のものとし、レジェンドとして今も語り継がれる存在となっている。2002-03シーズンにおける20ゴール20アシストというとてつもない記録は、ただの数字以上の意味も持っており、チーム全体の攻撃力を象徴するものでもあった。
それに続いて、前人未到の無敗優勝を達成した「インビンシブルズ」のシーズンでも、アンリの存在が攻撃の起点になった。アーセン・ヴェンゲル監督が作り出したアーセナルのスタイルそのものを形成し、華麗なドリブルと精度の高いパス、決定的なフィニッシュで多くの勝利を導いた。
クリスティアーノ・ロナウド

無敵だったシーズン:2014~2015
国籍:ポルトガル
ドリブラーからスタイルを変え、「究極のフィニッシャー」として世界中で知られるようになったクリスティアーノ・ロナウド。2014–15シーズンにおいては、その実力を存分に発揮した。
彼は61ゴールと23アシストという圧倒的な数字で、常に試合の流れを変える決定的なプレーを連発。
個人の栄光だけでなく、レアル・マドリーのタイトル獲得にも直結した彼の無敵の歩み。時代を象徴するような1年であったといえる。
ロナウド

無敵だったシーズン:1996~1997
国籍:ブラジル
「フェノメノ」として語られるブラジル人のFWロナウドは、20歳という若さで既にサッカー界に衝撃を与えた。バルセロナ在籍時には49試合で47ゴールという驚異的な数字を残し、相手ディフェンダーに容赦ないスピードとテクニックで挑んでいった。
当時の彼のドリブルはまるで芸術作品のように美しく、それでいて鋭かった。試合の流れを一瞬で変えるその爆発力は、世界中のファンを魅了した。
その後インテル時代に負った致命的な怪我によって全盛期は短く切り詰められてしまったが、このロナウドの無敵の歩みはサッカー史上に燦然と輝く伝説となった。
ディエゴ・マラドーナ

無敵だったシーズン:1986
国籍:アルゼンチン
1986年ワールドカップは、ディエゴ・マラドーナの名を不朽のものにした大会だ。彼のプレーはただ得点を重ねるだけでなく、試合の全ての局面でアルゼンチンを躍動させるとともに、相手を圧倒し続けた。
特にイングランド戦で見せた「神の手」と呼ばれる伝説のゴール、さらに個人技が光った「5人抜きドリブル」は、今なおサッカー界の金字塔として語り継がれている瞬間だ。
マラドーナは、試合の一瞬一瞬で奇跡を生み出し、チーム全体に無限のエネルギーを与える存在だった。彼の無敵の歩みは、サッカーというスポーツが持つ魔法そのものだった。
リオネル・メッシ

無敵だったシーズン:2011~2012
国籍:アルゼンチン
「無敵の歩み」といえば、その頂点に君臨するのはリオネル・メッシだ。
彼のプレーはまるで絵筆を走らせるかのように滑らかで、切れ味も抜群であった。1試合平均66分ごとにゴールを生み出すという驚異のペースは、おそらく長い間破られることはない記録だろう。