選手の移籍が活発化し、それに伴い移籍金も高騰している現代サッカー。
先日ニューカッスルからリヴァプールへ移籍したスウェーデン代表FWアレクサンデル・イサクの移籍金は、推定1億2500万ポンド(約249億円)と伝えられており、世界中のサッカーファンを驚かせた。
そうした中、FIFA(国際サッカー連盟)は4日、今年6月1日から9月2日までに実施されたミッドイヤー・ウィンドウの国際移籍動向をまとめたデータを発表した。
その結果、男女ともに移籍活動・移籍金の両面で過去最高を更新したことが明らかになった。
FIFAが発表したデータは以下の通り。
・男子サッカーの移籍金総額は、97億6000万ドル(約1兆4467億円)に達し、過去最高を更新(2024年半ばと比較して50パーセント増加)
・女子サッカーの移籍金総額は、1230万ドル(約18億2300円)に達し、過去最高を更新(2024年半ばと比較して80パーセント増加)
・男子(約1万2000人)と女子(1100人超)両方の移籍した人数が新記録を更新
FIFAは「男子サッカー市場は前例のないレベルの活動と支出を記録し続け、女子サッカーは急速な成長を示し続けた」とつづり、サッカーの国際的なプロフェッショナリズムの高まりを強調した。
発表によると、イングランドサッカー協会所属クラブが選手の移籍金に30億ドル(約4450億円)以上を投じ、単一協会として過去最高の出費を記録。
移籍による選手受け入れ先としてもイングランドがトップに。次いでポルトガル、ブラジルが続いた。
こうした動きについて、FIFAの法務・コンプライアンス担当役員のエミリオ・ガルシア・シレロ氏は「男子サッカー市場における動きは、2026年FIFAワールドカップ開催を来年に控えた重要な転換点である」とコメントを残した。
また、今夏行われた女子サッカーの移籍市場で、最大出資国となった協会はアメリカで、同国協会所属クラブは400万ドル(5億9300万円)以上を女子選手獲得に費やした。
ガルシア・シレロ氏は「女子のクラブサッカーの爆発的成長を示す数値」として、女子サッカービジネスの急成長を高く評価した。
男女ともに移籍市場で「過去最高」を更新し、今後も移籍金のさらなる高騰が予想される。また、移籍市場の世界的な拡大は、サッカーが新たな成長段階へ踏み出していることを象徴している。