
アーセナルは長年にわたってワールドクラスのストライカーを獲得してきたチームだが、いわゆる「9番」はなかなか活躍することができなかった。スポルティングCPからやってきたヴィクトル・ギョケレシュがどうなるのか、大きな注目を集めている。
今回は『Planet Football』から「アーセナルで期待されたものの大失敗してしまったストライカー」を6名ご紹介する。
カイ・ハヴァーツ
加入年度:2023年
移籍金:6500万ポンド(およそ129億円)
ハヴァーツがアーセナルにとって成功だったのか失敗だったのかは、まだ結論が出ていない。ただ、今のままでは成功ともいい難い状況にはある。
2023年にチェルシーから6500万ポンドで獲得されたドイツ人フォワードは、悪いプレーをしているというわけではないが、求められていたような点取り屋ではないし、ストライカーというわけでもない。
ハヴァーツはこれまで87試合に出場して29ゴールを決めているが、この夏にスポルティングCPから生まれながらのFWヴィクトル・ギョケレシュが加入したこともあり、今季はハヴァーツにとって変化の年になるだろう。
ヤヤ・サノゴ

加入年度:2013年
移籍金:フリー
フランスにおいて育成の名門クラブとして知られるオセール。サノゴは若くしてそのトップチームで活躍を見せ、豊かな才能を証明していたアタッカーであった。
2013年に20歳でアーセナルへと加入した彼は、それからまもなく行われたフランスU-21代表の試合で背中の怪我を負ってしまい、それによってパフォーマンスを低下させてしまった。
2015年にはプレシーズンマッチでハットトリックを決める活躍も見せたものの、結局アーセナルのトップチームではカップ戦でのわずか1ゴールに終わり、2017年に契約満了でチームを去っている。
フランシス・ジェファーズ

加入年度:2001年
移籍金:800万ポンド(およそ15.88億円)
エヴァートンでファンの心をつかむ活躍を見せたストライカーのフランシス・ジェファーズ。アーセナルは才能豊かな彼を獲得するため800万ポンドを投じた。
ただジェファーズにとって不運だったのは、当時のアーセナルの前線があまりにも豪華だったことだ。ティエリ・アンリ、デニス・ベルカンプ、ヌワンコ・カヌらの序列を崩せず、怪我にも悩まされたため出場機会は僅かだった。
チームは非常に強かったが、ジェファーズはそれに絡むことができず、2003-04シーズンには古巣のエヴァートンへとローン移籍。そして後に260万ポンドでチャールトン・アスレティックに売られている。
なお、イングランド代表では1試合出場1ゴール(オーストラリア戦)という珍しい記録を持っている選手のひとりでもある。
ダヴォール・シュケル

加入年度:1999年
移籍金:フリー
クロアチア代表の名選手として知られているダヴォール・シュケル。セビージャで長くプレーして評価を高め、後にレアル・マドリーでも成功を収めた。
彼がアーセナルにやってきたのは1999年夏。得点力の高いアタッカーとして名声を得ていた彼であるが、イングランドで実力を発揮したとはいい難く、すでにピークは過ぎていた。
アーセナルでの成績は22試合8ゴールと悪くはないが、かつてのシューケルが持っていた凄みはなく、1年でウェストハムへと移籍している。
ジョン・ハートソン

加入年度:1995年
移籍金:250万ポンド(およそ4.96億円)
セルティックのレジェンドとして知られている大型ストライカーのジョン・ハートソン。パワフルでクラシカルな点取り屋だった彼は、1995年に10代でアーセナルに移籍した。
当時250万ポンドの移籍金はイギリスで最高額の記録だったが、ハートソンは期待に応えられず、アーセナルでの3年間で14ゴールを決めるに留まった。
1996年にはデニス・ベルカンプとイアン・ライトに大きく遅れをとってしまい、プレーの機会も減少。1997年2月にウェストハム・ユナイテッドへと移籍し、ようやくそこで才能を開花させた。
ルーカス・ペレス

加入年度:2016年
移籍金:1710万ポンド(およそ33.94億円)
2015-16シーズンにデポルティーボ・ラ・コルーニャで17ゴールを決めたスペイン人FW。その選手を1710万ポンドで獲得したことはアーセナルの「掘り出し物を見つけ出す慧眼」が発揮されたかと思われた。
ただ、ルーカス・ペレスはイングランド・プレミアリーグで求められるものに適応することができず、スペインとは異なったスタイルに馴染むには時間が必要だった。
カップ戦では数ゴールを決めたものの、プレミアリーグではわずか1ゴールに終わり、デポルティーボ・ラ・コルーニャへとローン移籍した。
そして2018年にウェストハム・ユナイテッドへと放出したが、移籍金は400万ポンド。アーセナルは彼の失敗によって1300万ポンド以上の損失を出している。