昨夏のパリ五輪で右膝の前十字靱帯を断裂する重傷を負ったなでしこジャパンの清水梨紗。

受傷したのは2024年7月だが、まだ試合には復帰できていない。

女子選手は男子に比べて、前十字靱帯を損傷・断裂する確率が2~6倍も多いとされている。

『BBC』などによれば、FIFAは、女子選手の前十字靱帯負傷に関する研究に資金提供を行う見込み。

月経周期によるホルモン変動が、女子サッカー選手の前十字靭帯損傷増加の一因になっている可能性があるかどうかについての研究は、来月からロンドンのキングストン大学で1年かけて行われる。

フラムなどロンドンにあるクラブの選手や草サッカーの選手たちは、定期的に血液検査と身体能力検査を受け、研究に参加する。

これまでの研究では、ホルモンが靭帯の緩みの増加や神経筋反応時間の低下と関連している可能性が示唆されている。

今回は急な方向転換やヘディング後の着地など、前十字靭帯損傷につながることが多い状況を分析し、ホルモンレベルとの相関関係を調べるそう。

同大学の上級講師は、こう語っている。

「月経周期中の解剖学的、生理学的な機能的変化により、アスリートが怪我をしやすくなる可能性を検証したい。

ホルモンが月経周期のさまざまな段階で変動することは分かっているが、それが怪我のリスクにどの程度影響するかはまだ不明。

避けられない怪我があることは承知しているが、衝撃以外の動作で前十字靭帯を損傷した人を助けたい。筋力トレーニングを活用したり、テクニックを調整したりして介入することで、損傷を未然に防ぐことができる可能性がある」

昨年の調査研究では、月経周期の特定期に選手が怪我をしやすいことが示唆された。

モニターした26人の選手において、月経中と比較して、月経前の数日間は筋肉の怪我をする可能性が6倍高いことが判明したそう。

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