現役時代にエヴァートンやマンチェスター・ユナイテッドなどで活躍した元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏。
イギリスメディア『BBC』は18日、同氏のインタビュー動画を公開した。
元イングランド代表FWは、MLS(アメリカ1部)DCユナイテッド在籍時に、チームメイトが人種差別を受けて「私の胸で泣いていた」と告白し、強力な反人種差別教育とクラブへの厳罰化を訴えた。
今月16日に行われたリヴァプールとボーンマスのプレミアリーグ開幕戦では、ボーンマスのガーナ代表FWアントワーヌ・セメニョがリヴァプールサポーターから人種差別を受け、審判は一時試合中断を決断した。
その後、リヴァプール出身の47歳の男性が、人種差別的な公序良俗違反の疑いで逮捕され、男性はイギリスのすべてのサッカースタジアムへの入場が禁止になった。
このような事件を受け、ルーニー氏は自身のアメリカでの経験を引き合いに、人種差別根絶のために行動を起こす必要があると訴えた。
「DCユナイテッドでチームメイトの一人が人種差別を受け、彼は私の胸で泣いていました。私は彼を抱きしめ、泣いているのを支えました。
人々はそれが何気ない言葉で、意味がないと思っているかもしれませんが、人を傷つけます。それを止めるためにはもっと行動が必要です」
ルーニー氏はさらに、あらゆる年齢層に対する反差別教育が不可欠であると付け加え、クラブへのより強力な制裁も求めた。
「社会全体、子ども、親、祖父母に対する強力な教育キャンペーンが必要です。
クラブを厳しく罰する必要もあります。それが(人種差別を)止める唯一の方法です。無知がある限り、ファンはそれを続けるでしょう。
クラブを罰するには、勝点のはく奪や金銭的なペナルティを課す必要があります。そうでなければ、この問題は続きます」
FA(イングランドサッカー協会)はすでにクラブに対する制裁権限を持っている。
2023年には、実際に同国4部のジリンガムがサポーターの差別的言動で12500ポンド(約248万8000円)の罰金処分を受けている。
元イングランド代表のスターは、「適切な人々が適切な組織と協力して真剣な対策を講じることを願っています」と結んだ。