
サッカーにおいてはホームとアウェイの差は大きいものがあり、本拠地で戦う試合では地元のファンからの応援の声が響き、逆に敵地では相手のファンから大きなプレッシャーが与えられる。ただ、その一方で時には味方のサポーターからブーイングを受けてしまう選手も。
今回は『Planet Football』から「味方のファンからブーイングを受けてしまった選手たち』をご紹介する。
エマニュエル・エブエ
ブーイングを受けたクラブ:アーセナル
アーセナルで長くサイドバックとして活躍したエマニュエル・エブエ。彼が自クラブのサポーターから批判されたのは2008年、ウィガン・アスレティックを相手に1−0と勝利した試合だ。
エブエはその試合で途中出場したが、なぜかその際に彼だけが大きなブーイングを受けることになった。彼はその後『Telegraph』にその経験を以下のように語った。
「ファンの反応に驚いたよ。あの日はチーム全体が悪かったが、1−0で勝ちはした。なんで僕だけがブーイングされたのか全くわからない。ヴェンゲル監督に『もう練習に行きたくない』と泣きついたよ」と、あまりにもショッキングな出来事だったと明かしている。
ハリー・マグワイア

ブーイングを受けたクラブ:イングランド代表
レスター・シティからマンチェスター・ユナイテッドにやってきて以来、常に批判を受ける立場になってしまっているハリー・マグワイア。クラブでもイングランド代表でも厳しい目が向けられてきた。
2022年に行われたコートジボワールとの親善試合では、キックオフ前の選手紹介からイングランドファンによるブーイングが行われていた。しかしその中でマグワイアはフル出場し、勝利に貢献している。
ハリー・ケインはその後「ウェンブリーで彼がブーイングされることは全く正しくないよ。
リオネル・メッシ

ブーイングを受けたクラブ:PSG
バルセロナではスターとして扱われていたし、それに値する活躍を見せ続けていたリオネル・メッシ。しかしPSGではネイマールとともにブーイングの対象となっていた。
2022年3月に行われたボルドーとの試合でPSGのウルトラスはメッシとネイマールにブーイング。さらにその2日後にはレアル・マドリーに敗れてCLから敗退し、批判の声はますます大きくなった。
クラブの練習場には「メッシ、ここを去れ」と落書きされるなど、ファンの不満のターゲットになっていた。あまりにも高い期待を受けたことによる弊害であったといえるだろう。
グラニット・ジャカ

ブーイングを受けたクラブ:アーセナル
現在はシャビ・アロンソ監督が率いるレヴァークーゼンで目覚ましい活躍を見せているジャカ。しかし、アーセナルでプレーしていた時はファンからの支持率が低かった。
2019年にはキャプテンとして戦っていたものの、アーセナルのファンからは継続的にブーイングを受け、クリスタル・パレス戦では交代させられた際にファンへの怒りを表した。
当然ながらその後キャプテンの座を剥奪されたジャカであるが、それから数年でアーセナルでの立場を復活させ、そしてレヴァークーゼンで鮮烈なV字回復を見せるというのは皮肉なものだ。
ウェイン・ルーニー

ブーイングを受けたクラブ:イングランド代表
イングランドの英雄として広く知られているウェイン・ルーニーであるが、代表選手としてのキャリアの最後はファンからの批判を受ける存在になっていた。
悲惨な結果に終わったEURO2016の余波により、ルーニーは中盤でプレーすることになり、マルタとの試合中に大きなブーイングを浴びた。
そしてギャレス・サウスゲイト監督は、その3日後に行われたスロベニア戦のメンバーからウェイン・ルーニーを外した。これによって事実上彼のイングランド代表でのキャリアは終わった。
ジョルジーニョ

ブーイングを受けたクラブ:チェルシー
ジョルジーニョは最終的にチェルシーで尊敬を受ける存在になったものの、彼は当初スタンフォード・ブリッジのファンから不満のターゲットになっていた。
それは彼がマウリツィオ・サッリ監督の教え子として「サッリボール」の象徴であったからだ。ELのマルメ戦ではロス・バークリーと交代で途中出場したが、そこで激しいブーイングにさらされた。
ただ、ジョルジーニョはその後サッリ監督の退任に影響を受けることなく、自力でチェルシーのポジションを掴み、逆にファンから大きな支持を受けることになった。
ギャレス・ベイル

ブーイングを受けたクラブ:レアル・マドリー
レアル・マドリーの熱狂的なファンはそうではなかったが、クラブを取り巻くライトなファンはこのギャレス・ベイルを頻繁にブーイングしていた。
サッカーよりもゴルフを愛していること、そしてウェールズ代表を重視していることを公言していたベイル。ファンはそれを受け入れることができず、反発していたのだ。
リオ・ファーディナンド

ブーイングを受けたクラブ:マンチェスター・ユナイテッド
マンチェスター・ユナイテッドで3年間プレーしたあと、ファーディナンドはクラブのサポーターから「才能はあるがコストが大きすぎる」と見做されていた。
一方でファーディナンド自身はアーセナルとチェルシーの後塵を拝するマンチェスター・ユナイテッドと契約を更新するかどうかを迷っていた。
チェルシー移籍の噂が流れるなかでファンからブーイングを受けることになったが、最終的には残留を決意し、クラブの押しも押されぬレジェンドとなった。
アシュリー・コール

ブーイングを受けたクラブ:イングランド代表
アーセナルからチェルシーに移籍したときは、金の亡者と揶揄され「キャッシュリー・コール」とも呼ばれてしまったアシュリー・コール。ただ、この際にチェルシーのファンは大きな味方となった。
一方イングランド代表では2010年のワールドカップ予選で彼のミスによってカザフスタンにゴールを許し、サポーターから嘲笑されるような存在になったこともある。
このとき、イングランドのタブロイド紙ではアシュリー・コールとシェリル・コールの離婚話が噂になっており、その点も影響したのではないかとも言われている。