今季開幕したJリーグは各チームが熱い戦いを見せている。その中でもチームをけん引するベテラン選手たちの健闘が目立っている。
ベテラン選手の中では35歳以上と選手キャリア終盤に差し掛かっていても、決定的な仕事を果たす選手もいる。
今回は開幕から活躍する35歳以上のJリーガー3人をピックアップした。
グランデヴィオラが誇る守備の要
塩谷司
所属:サンフレッチェ広島
ポジション:センターバック
サンフレッチェ広島の守備の顔といえば、DF塩谷司といって間違いないだろう。2012年に徳島ヴォルティスから完全移籍してから強固なディフェンスラインを形成して、Jリーグ優勝3度に貢献した。2017年からUAE1部アル・アインに移籍して4シーズン過ごしてから、2021年に広島に帰還した。
相手の攻撃の意図を読んだポジショニングで脅威を取り払い、身体を張った守備も安定感があるため隙がない。的確なコーチングでディフェンスラインを整備し、逆境であっても背中で見せるプレーで守備をけん引する姿は流石としか言いようがない。
今季開幕戦は優勝候補筆頭といわれた浦和レッズの猛攻をシャットアウトし、広島の堅守を支えてみせた。第2節は強敵FC東京の攻撃を最少失点に防ぐ活躍でリーグ戦無敗を堅持。今季も35歳のベテランDFが広島を躍進へと導く。
今季日本に帰還したベテラン守護神
川島永嗣
所属:ジュビロ磐田
ポジション:ゴールキーパー
14年ぶりにJリーグに復帰したGK川島永嗣。フランス1部ストラスブールに2022-23シーズンまで所属していたが、約半年間の無所属期間を経て2季ぶりにJ1へ復帰したジュビロ磐田に加入した。
40歳と高齢であり、昨季は公式戦出場ゼロと実力を不安視する声があったが、昨季J1王者のヴィッセル神戸を迎えた開幕戦では抜群の反応を見せて難しいシュートを防ぐシーンを見せた。結果は0-2で敗戦も、その実力の高さを見せつけた。
第2節では川崎フロンターレ相手に点の取り合いとなり、4失点を喫するものの要所でスーパーセーブを見せるなどして5-4の勝利に貢献した。まだチームの守備に不安定な部分はあるが、川島を中心とした強固なディフェンスラインを形成して今季J1残留と飛躍を狙う。
川崎の色褪せないクラッキ
家長昭博
所属:川崎フロンターレ
ポジション:右ウイング、攻撃的ミッドフィルダー
37歳と年を取っても、ワインが熟成するように円熟味溢れるプレーを見せ続けるMF家長昭博は、今季も華麗なテクニックで川崎の攻撃をリードしている。
開幕前のAFCアジアチャンピオンズリーグでは中国1部山東泰山とのラウンド16第1戦でゴールを挙げ、開幕戦では湘南ベルマーレに先制を許した0-1の前半24分に絶妙な加減で優しいゴロパスを繰り出して、MF脇坂泰斗の同点弾をアシストしてみせた。
磐田との第2節では惜しくも4-5で撃ち負けてしまったが、川崎が上位進出を果たすには家長の力が必要不可欠となる。色褪せないクラッキが今季の川崎にどのような魔法をかけるのかに目が離せない。