Qolyアンバサダーのコラムニスト、中坊コラムの中坊氏によるコラムをお届けします。

サッカー界ならではの素晴らしい制度、連帯貢献金

5月20日、鈴木唯人(23)のデンマーク・ブレンビーからドイツ・フライブルクへの移籍が発表された。

『ドイツ・スカイスポーツ』での報道によれば、鈴木の移籍に際し、フライブルクからブレンビーへ700~800万ユーロ(約11億4,000万~13億円)の移籍金が支払われるという。

過去、2023年に清水エスパルスからブレンビーへ移籍した際に清水へ支払われた移籍金は1.1億円と報道されたが、ヨーロッパで2年間実績を積み、清水からブレンビー移籍時からは実に10倍以上の金額で鈴木はブンデスリーガへ移籍することとなった。

その際、国内サッカーファンとして気になる点は、連帯貢献金がいくら支払われるのか、というポイントだ。

連帯貢献金は、FIFAの規約に基づく国際ルールであり、満12歳から23歳までに所属した全てのクラブに対して移籍金に応じた金額を分配するもの。鈴木の場合、21歳まで在籍していた清水に連帯貢献金が支払われる。

実際にいくら受け取るのか、金額は以下の通りである。(1ユーロ160円換算)

・葉山中学校(0.75%)840~960万円

・市立船橋高校(1.5%)1,680~1,920万円

・清水エスパルス(1.5%)1,680~1,920万円

《内訳》

2015年 葉山中学校 13歳 0.25% 280~320万
2016年 葉山中学校 14歳 0.25% 280~320万
2017年 葉山中学校 15歳 0.25% 280~320万

2018年 市立船橋高校 16歳 0.5% 560~640万
2019年 市立船橋高校 17歳 0.5% 560~640万
2020年 市立船橋高校 18歳 0.5% 560~640万

2021年 清水エスパルス 19歳 0.5% 560~640万
2022年 清水エスパルス 20歳 0.5% 560~640万
2023年 清水エスパルス 21歳 0.5% 560~640万

※2023年はリーグアンのストラスブールへレンタル移籍。

フライブルク側は昨年も鈴木へオファー送っていたそうで、関心の高さがうかがえる(この時はブレンビー側が移籍を断った模様)。

また、日本人関連で言うとフライブルクはオランダ・PSVから堂安律を2022年に800万ユーロ(当時のレートで約11億2800万円)で獲得しており、その堂安は今夏、移籍金2,000万ユーロ(32億円)でドルトムントへ引き抜かれるとも噂されている。

今後のフライブルクからさらなるステップアップ移籍の際に高額移籍金発生が見込めるため、清水としては今後も連帯貢献金での恩恵を受けることとなる。

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