10月のテレビ改編の目玉の一つが、ダウンタウン松本人志が、バナナマン設楽統小池栄子と一緒に司会を務める『クレイジージャーニー』(TBS系)のゴールデンタイム昇格だ。深夜時代の2019年、スタッフが珍しい生物を事前に準備して撮影していたことが発覚し打ち切りに遭った。

 
 だが今回、ファンからのラブコールを受け、奇跡ともいえる復活を遂げる。同番組が今月17日からレギュラー枠で乗り込むのは、月曜よる9時の激戦区。強敵は何と言っても『しゃべくり007』(日本テレビ系)だ。

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 この春から月曜よる10時から9時台に来た『しゃべくり』だが、昇格後も意外としぶとく数字をキープ。9月12日放送の寺田心がゲストの回は世帯視聴率10.3%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)、個人6.5%。対して裏の月9ドラマの『競争の番人』(フジテレビ系)は世帯7.3%、個人4.2%だった。
「業界モノ」で押している「月9」だが、そろそろ息切れが見えている。

 そんな、いわば1強の『しゃべくり』に立ち向かう『クレイジー』には先述のように熱狂的なファンがいる。2018年リリースのDVD『クレイジージャーニーVol.6』は、TBSでは『8時だョ!全員集合』(同)に次ぐ、歴代2位となる18万枚超の売り上げを記録。もちろん、F1(20~34歳女性)、F2(35~49歳女性)の人気を獲得する『しゃべくり』とはターゲットが違うが、ネプチューンくりぃむしちゅーチュートリアルという、もはや「おじさん」世代の番組を、これからの若い女性がどう見るかという懸念もある。

 さらに『クレイジージャーニー』がそれまで月曜9時に入ってこないような新しい層を開拓する可能性もあり、『しゃべくり』も手を打ちたいところだろう。だが『しゃべくり』は番組の性質上、面白さを優先するあまり炎上することもしばしば。
10月3日の放送回では、元キックボクサーの魔裟斗、女優の矢沢心の3歳の息子・エイトくんを結果的に泣かせてしまったことが物議を醸した。また、先に述べた寺田の回では、有田哲平が彼に執拗なウザ絡みをしたことも波紋を呼ぶなど、視聴者離れが心配される。
 
 また、最近は単体のゲストが枯渇したのか「福岡県人会」など、全く違うくくりで勝負している。一方、『クレイジージャーニー』の初回収録をすでに終えた松本はその手応えとして、「時間帯がちょっと早くなるので、少しソフトになってしまうのかなと思ったんですが、今日VTRを見た限りでは全然刺激的でした! 前のまま、昔のまま、という感じがしました」と自信を見せている。果たして直接対決の行方は?