仏RFIの中国語版サイトは2月27日、「有害な神経毒性物質を含む電子ごみは世界で最も増加速度が速い固体廃棄物だ」とする記事を掲載した。
記事が、世界保健機関(WHO)のホームページに掲載されている「電子ごみ」に関する解説を引用して伝えたところによると、毎年大量の電気・電子機器が、故障したり、時代遅れになったりして廃棄されている。
2019年の全世界の電子ごみのうち、正式にリサイクルされたことが分かっているのは4分の1未満。ただし、電子ごみは、適切にリサイクルされれば再利用できる貴重な有限の資源が含まれているため、個人だけでなく地域社会にとっても重要な収入源となっている。
しかし、低中所得国に住む人々、特に子どもは、適切な規制、リサイクルインフラ、トレーニングの欠如により、電子ごみによる最も重大なリスクに直面している。ある国から別の国への電子ごみの輸送の管理を対象とした国際規制にもかかわらず、低中所得国への電子ごみの国境を越えた移動はしばしば違法に続いている。
電子ごみは、有毒物質を含んでいたり、不適切に処理すると有毒化学物質を生成する可能性があるため、有害廃棄物とみなされる。
毎年、数百万トンの電子ごみが環境的に不健全な技術を使用してリサイクルされており、家庭や倉庫に保管されたり、劣悪な条件で投棄されたり、輸出されたり、リサイクルされたりしている可能性がある。電子ごみが不適切な方法で処理されると、鉛などの有害な神経毒性物質を含む1000種類もの化学物質が環境中に放出される可能性がある。妊娠中の女性と子どもは、特有の暴露経路と発育状態のため、特に脆弱だ。国際労働機関(ILO)の推計によると、20年には1650万人もの子どもが廃棄物処理産業の一員として働いている。
子どもと妊婦は、非公式の電子ごみのリサイクル活動による有害汚染物質の影響を特に受けやすくなっている。子どもは多くの場合、廃棄物を拾い集めたり、廃棄された電子ごみを燃やしたり、手作業で部品を分解したりする。一部の国では、子どもは安価な労働力の源として機能し、その小さな手は小さな物品を分解するのに有利だ。これらの活動は、子どもをけがや高レベルの危険な化学物質に直接さらす。「ウェストピッカー」としての労働は危険な労働であり、ILOによって最悪の形態の児童労働の一つとみなされている。
バーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越えた移動とその処理を規制するもので、電子ごみとその管理を含む有害廃棄物を取り巻く問題に取り組むことを目的とした包括的な環境協定だ。