ブルーベリーが旬を迎えた。中国のブルーベリー主産地である雲南省澄江市の栽培農家やサプライヤーは、次々に舞い込む注文に応じるため、残業して懸命に作業を進めている。
中国のブルーベリー商用栽培は2000年にスタートしてから20年ほどしかたっていないが、発展ペースが非常に速い。国際ブルーベリー機構が発表したデータによると、21年に中国は7万ヘクタール近くの栽培面積により、世界最大のブルーベリー生産国になった。現在では20以上の省級行政エリアでブルーベリーの商用栽培が行われている。かつて舶来の果物だったブルーベリーは、今や地元の特産品へと変貌しつつある。
雲貴高原にある雲南省は、日照時間が長く、昼夜の寒暖差が激しく、ブルーベリーなどの液果(水分の多い果物)の栽培に適しており、中国で最も優位性を備えたブルーベリーの主産地だ。
現在、中国産ブルーベリーの売り上げはオンラインでもオフラインでも好調だ。ECプラットフォーム「拼多多」のデータでは、24年に入ってから同プラットフォームのブルーベリー売り上げは前年同期比で300%も増加した。雲南産が特に人気で、江蘇省、山東省、遼寧省などの産地が後に続くという。
ブルーベリーを扱うEC企業は、「国産ブルーベリーの新しい品種は、粒が大きく、甘みが強く、花の香りを含んだ独特の味わいがする。うちのEC店舗ではブルーベリーの販売量が1日当たり2000件を超えた。
実際、ブルーベリー、アボガド、マカダミアナッツなどこれまで輸入の「主役」だった果物やナッツ類は、今では国産品がどんどん出回るようになった。中国でアボガドの栽培面積が最大の雲南省孟連タイ族ラフ族自治県は、約5086.7ヘクタールの土地で1万トンを超える生ブルーベリーを生産し、輸入品から15%のシェアを奪った。
舶来の果物から地元の特産品への転換の背後には、数多くの栽培農家や販売業者、政府当局の数十年に及ぶ努力がある。
澄江市農業農村局栽培業股の陳春股長は、「澄江市のブルーベリーは2004年に優良品種の導入が始まり、最初の頃の粗放型露地栽培から現在のような水と肥料の一体化管理へと発展し、品種改良も絶えず行われている。地元の政府は資金や技術をめぐる一連の支援政策を打ち出し、ブルーベリー産業の発展を支援している。