ここ数年、厳しかった日中関係も改善へ大きく動き出した。潮目が変わった。
10項目を要約すれば、修学旅行をふくむ青少年交流促進、留学生の相互派遣強化、観光客相互訪問促進へ更なる円滑化措置、両国の地方間・民間交流拡大、スポーツ交流・協力強化、映画・テレビ・音楽・出版・アニメ・ゲームなどの継続的協力、メディア・インフルエンサーなどの交流・協力を強化し世論改善に注力、女性団体交流を強化、大阪万博を交流・親善の場とする、第3回「日中ハイレベル人的・文化交流対話」を日本で開催、である。
筆者が特に注目するのは「映画・テレビ・音楽・出版・アニメ・ゲームなどの継続的協力、メディア・インフルエンサーなどの交流・協力を強化し世論改善に注力」である。日本人の対中感情・中国人の対日感情は各種情報に大きく影響されている。実際に訪中・訪日して自らの目と足で中国・日本を理解する人は国民全体からすれば極めて少なく、伝えられる情報に大きく影響されている。
呉江浩・駐日本中国大使は「メディアとは理解と認識を深めるための重要な懸け橋であり、これは記者を60年間相互派遣してきた中日両国にとってはなおさらだ。両国のメディアは今後も民心の通じ合いを深め、人的・文化的交流を促進する存在たるべく努力していくべきだ」と『人民中国』2025年1月号で述べられている。
その同じ頁で、中国に進出している日本企業の団体「中国日本商会」の本間哲朗会長は「日本での中国に関する報道が偏っているため、株主や取締役、労働組合などが中国に対して過度に悲観的になり、上場企業は中国へ投資をしづらくなっている。若者も中国での就職を避ける傾向にある。中国にいる日本企業は中国の進歩しているところをよく知っているので、そういうことをもっと報道してほしい」と記している。
新聞・テレビなどの従来メディア、ブロブ・X・Facebook・Instagram・LINE・YouTube・TikTokなどの新興メディアの一部には、注目狙いの商業ジャーナリズム的・一面的発信も少なくない。