動物は30余りの「門」に分類されており、それらは共同で動物進化の基本的な枠組みを構築しています。人類はこれまで、鉤頭(こうとう)動物門の起源についてあまり知りませんでした。
鉤頭虫は海洋と陸上の生態系によく見られる体内寄生性の蠕虫(ぜんちゅう)の一種で、人、豚、犬、猫、魚など様々な動物に寄生することがあります。最も典型的な特徴は、ミミズのような外形と外に反転することができる吻突(ふんとつ)です。吻突には宿主の消化管に付着するための逆向きの鉤が並んでいます。
鉤頭虫は長い間、独立した門である鉤頭動物門に分類されてきました。研究チームが新たに発見されたジュラ虫を精密に解剖学的に研究したところ、ジュラ虫の吻突には硬化してやや下に曲がった棘(とげ)があり、体には約32対の縦毛列が存在し、それらの縦毛列は体の一部にしか達していないことが分かりました。これに類似した構造は現生の鉤頭虫でもよく見られます。ジュラ虫の体の末端では、現生の鉤頭虫のオスに見られる傘状の交尾器の構造も確認されました。ジュラ虫の最も特異な部分は胴体の最前方に位置する顎器(がくき)です。顎器全体は前方に向かって収束し、その前部にある顎(あご)は小さく、後方は徐々に大きくなっています。研究チームは各種の現生および化石の蠕虫動物などの形態データマトリックスを構築し、系統発生解析を行いました。
研究者は、鉤頭虫がジュラ紀で内部寄生の習性を進化させていた可能性があると考えています。また鉤頭虫は陸生環境に起源を持ち、ジュラ紀の時点で他の輪形動物と分化していた可能性も示されているとのことです。(提供/CRI)