エネルギー関連情報を扱う中国メディアの能源界はこのほど、中国の華為技術(ファーウェイ)とシンガポールの複合企業グループであるケッペル・コーポレーションのインフラ部門が、再生可能エネルギーソリューション分野での協力を強化した話題を紹介した。

ファーウェイとケッペルのインフラ部門は13日、協力強化についての覚書を締結した。

新たな協定には、ファーウェイとケッペル側が革新的な太陽光発電および蓄電池ソリューションの共同研究と開発を進めていくことが改めて盛り込まれた。アジアおよび世界の主要市場において持続可能なエネルギーソリューションの導入を加速し、関連需要の増大に対応するとともに、世界的な脱炭素化の取り組みを推進することを目的とする。

双方はすでに、ケッペル側が開発した蓄電システム(BESS)を利用する太陽光発電と蓄電システムの需要応答(デマンドレスポンス)プログラムを共同で進めている。

新たな協定には、ファーウェイとケッペルが革新的な太陽光発電および蓄電池ソリューションの共同研究と開発を進めていくことが改めて盛り込まれた。対象プロジェクトは、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域の送電網、低炭素データセンターおよび工業団地、さらにはハイブリッド型エネルギーシステムにおけるデジタルエネルギー管理などに及ぶ。

再生可能エネルギーで国際提携、ファーウェイとシンガポールのケッペル―中国メディア
シンガポール

新たな提携により、双方が取り組むプロジェクトの脱炭素の度合いや運用の安定性、ライフサイクルコストの最適化と経済性の向上が見込まれる。プロジェクトの稼働開始後には、シンガポールのチャンギ空港内にあるケッペル側の拠点に設置された先進運用神経中枢(ONC)に接続され、ケッペル独自の人工知能および機械学習(AI/ML)ソリューションを用いて、リアルタイムの遠隔監視や制御、高度な性能最適化が実施される予定だ。

さらに両者は新たなスマート運用保守ソリューションの開発をさらに進めることで、再生可能エネルギー資産の信頼性、性能、効率を高めることを見込む。両者はシンガポール以外の地域でも協力して市場参入戦略を策定し、ターゲット地域において再生可能エネルギーソリューションの展開を進めていく。

ファーウェイのグローバル部門の責任者である王建軍氏は、「われわれの目標は、企業や地域社会の経済成長を後押しし、グローバルな低炭素経済への移行を加速することです」などと述べた。ケッペルのインフラ部門の最高経営責任者(CEO)であるシンディー・リム氏は、「ファーウェイのデジタル電力技術とケッペルのエネルギーインフラ分野における専門性を生かし、再生可能エネルギーと先進蓄電技術の信頼性とシームレスな統合を向上させていきます。目標は、先進的な技術と工学的ソリューションの共同開発を通じて、ライフサイクルコストの最適化、安全性の向上、既存および新規のプロジェクトにおける卓越した運用レベルを実現することです」などと説明した。

今回の新たな協力締結は、グローバルで持続可能な開発目標に適合し、再生可能エネルギーの導入促進とエネルギー効率の向上を通じて、シンガポールの「グリーンプラン2030」を支援するものでもある。(翻訳・編集/如月隼人)

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