2024年11月25日、環球時報は、中国に数多く存在する巨大な陥没穴「天坑」が観光スポットになる一方で、懸念も抱えているとする英メディアの報道を紹介する記事を掲載した。
記事はBBCの23日付文章を引用。

そして、現地で育ち、「天坑」のガイドを務める50代の男性が「かつては人が天坑に降りると妖怪が風雨を起こし、お化けが雲や霧を立ち込ませると考えられてきた」と紹介するとともに、「天坑」の中から貴重な植物が発見され、この10年で海外から探検者が続々と訪れるようになるなどとは考えてもみなかったと明かしたことを紹介した。
一方で、国内外から「天坑」を訪れる人が急増する中、観光客の存在が学術研究を妨げるのではないかとの懸念も出ていると指摘。中国の研究者が「われわれは天坑という植物の生息地をもっとしっかり保護すべきだ。天坑には多くの貴重な絶滅危惧植物にとって天国のような場所。そして新たな発見も次々と生まれている」と語ったことを伝えた。

また、天坑の研究は地球の長期的な進化や気候変動を把握する上でも重要であると専門家が考えているとした上で、中国の研究者が「過度の開発は大きな破壊につながる。天坑の原始的な生態環境を守るために、熱気球やドローンを使って鑑賞したり、ある程度離れた場所に遊歩道を設けたりして、穴の中の生物になるべく影響を与えないようにしたい」との考えを示したとしている。(編集・翻訳/川尻)