2025年大阪・関西万博中国館で「安徽デー」が開催され、「グリーンなイノベーション、智恵ある美しい生活」をテーマに、中日両国の各界から約120人の代表が参加し、文化の伝承と技術革新をテーマにした交流が行われました。

「宣紙」は、中国安徽省宣州(現在の宣城市)で作られる、千年以上の歴史を持つ上質な書画用紙で、日本では「画仙紙」の呼び名で知られています。

墨のにじみや発色に優れ、古くから書道や絵画で好んで使われてきました。このイベントでは、中国の伝統工芸「手すき宣紙」を題材にした大型ドラマ『掌簾(しょうれん)』のコンセプトポスターが初披露され、文化・映像業界の注目を集めました。ドラマ『掌簾』は、千年の歴史を持つ安徽省・涇県の宣紙工房を舞台に、新世代の若き職人と老練な「掌簾人(しょうれんじん)」たちの交流と葛藤を描きながら、伝統技術の継承と革新を描く作品です。
大阪・関西万博「安徽デー」開催、千年宣紙がドラマに

プロデューサーの易思蓉氏は「この作品は、無形文化遺産の価値を再発見し、若い世代が自らの人生を伝統とどう重ねていけるのかを問いかける青春ドラマです」と語りました。1枚の宣紙が完成するまでには108の工程と3年の歳月が必要とされます。同作品の制作チームは実際に涇県を訪れて、宣紙産業の現代化に迫る取材を重ねてきました。

易氏は「私たちはこのドラマを通じて、無形文化遺産が『博物館の展示品』から『生活の美学を象徴するもの』へと変貌を遂げる様を描きたいと思っています。それはちょうど、ポスターに描かれた水墨とデジタルレンダリング技術の融合のように、無形文化遺産も時代や世界と対話する方法が必要なのです」と述べました。

ドラマ『掌簾』は2025年8月にクランクイン予定です。千年を経た手すきの紙が紡ぐ未来への物語が、世界を舞台に幕を開けようとしています。(提供/CRI)

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