2025年9月3日、台湾メディア・工商時報は、中国本土の最先端半導体製造技術は、オランダ・ASML製の旧型露光装置に依存している可能性があると報じた。
記事は、ゴールドマン・サックスのレポートによると、中国の半導体最大手SMICが製造する最先端の7ナノメートルチップは、オランダASML製の旧世代であるDUV(深紫外線)露光装置に依存している可能性が高いと紹介。
そして、ASMLは、5ナノ以下の先端半導体に不可欠なEUV(極端紫外線)露光装置や、さらに先の世代で必要となる高NA(開口数)EUV露光装置といった、世界の最先端技術を独占していると説明。台湾の半導体製造大手TSMCはASML製の装置で3ナノや2ナノのチップを量産しているとした。
これに対して、中国政府も半導体産業の発展を強力に推進しており、特に露光装置を打破すべきボトルネック技術の最重要課題と位置づけ、資金援助や税制優遇を積極的に行っているものの、現状の中国国産露光装置の技術レベルは旧世代の65ナノプロセスに留まっていると指摘した。
また、中国のコンサル会社「智研諮詢」のレポートによると、2023年の中国の露光装置生産台数は124台、市場規模は160億元(約3200億円)に達するなど、市場は拡大傾向にあると紹介する一方で、ゴールドマン・サックスが「ASMLが65ナノから3ナノ以下の技術に到達するまで、20年の歳月と400億ドル(約6兆円)の巨額投資を要した」と指摘し、中国メーカーが短期間で西側の先進技術に追いつく可能性は低いとの認識を示したことを伝えている。(編集・翻訳/川尻)