中国科学院上海天文台の安涛研究員が率いる国際チームは、地球から約2.3億光年離れた矮小銀河でブラックホールを発見しました。従来のイメージでは、大質量のブラックホールは銀河の中心に「鎮座」しているとされてきましたが、このブラックホールは銀河の核心に位置するのではなく、中心から約3000光年離れており、電波ジェットを噴出しています。

複数の観測特徴を総合し、研究者はこれが活発に物質を吸収し、ジェット流を持つ遊離したブラックホールであることを確認しました。

この発見は「ブラックホールの成長は銀河の中心だけではない」という認識をさらに強化し、初期宇宙における超大質量ブラックホールの急速な成長を理解するために新たな視点を提供しました。関連成果は9月5日、中国科学院の学術誌「科学通報」英語版にオンラインで掲載されました。

今後、FAST(500m球面電波望遠鏡)コアアレイと世界最大の電波望遠鏡「スクエア・キロメートル・アレイ」 (SKA)の建設に伴い、天文学研究者はより高い感度と分解能で系統的に天体サーベイを実施し、より微弱な電波信号を検出し、さらにはサブパーセクレベルのマイクロジェットを直接識別する機会が得られ、銀河の中心からずれたブラックホールの確認と統計的研究にブレークスルーをもたらすとみられています。(提供/CRI)

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