AI時代になってから、人工知能の急速な発展は世界に大きなインパクトを与え、人々の生き方や考え方が大きく変化しました。言語学習者として、人工知能が国境を越えたコミュニケーションにおいても重要な役割を果たしていることに気付きました。

AIのおかげで言語の壁や思考の違いを簡単に乗り越えることができ、日中両国の交流が新たな段階に入っています。

人工知能の最大の魅力とは素早く正確に翻訳できることです。従来の翻訳機とは異なり、言語の論理や文化的な知識を豊富に持っているため、スムーズで誤りの少ない翻訳ができます。これにより、専門の通訳者がいなくても簡単に交流が実現でき、文化交流が大いに促進されます。ビジネス会議や旅行の場面で、人工知能はリアルタイムで正確な翻訳を提供することもできます。今、AIは日中交流の重要な架け橋となっています。

私は外国語大学のソフトウェア学院で勉強しています。そのため外国語とAIの関係には当然強い関心を持っています。先日、学校でAIロボットと外国語で会話練習をするイベントに参加しました。会話の背景を設定しておけば、AIと自然な会話ができます。AIの言語処理のレベルは高く、文脈に沿った言葉の組み立てができるようになり、論理的なバグも少ないです。多くの学生がAIに同時に話しかけても、うまく答えていました。

それは、私にAIの力をより深く理解させてくれる貴重な体験となりました。

この体験を機に、AI翻訳技術の活用を前提とした、日中両国の参加者が自由に交流できる大きな場を設けようと考えています。例えば、この作文大会のような「書くこと」を中心に考えてみると、ライティングリレーの競技大会を開催することも面白そうです。オンラインとオフラインを並行して、一つのテーマを与え、決められた時間内に、中国と日本の両方の選手がAIのサポートを受けながら共同で一つの作文を書きます。執筆中にAIを活用してディテールを補足したり、基本的なミスを修正したりして、作文を完成させます。また、AI翻訳技術を使ってチームメイトとのコミュニケーションを支援し、ストーリーの流れを整理することもできます。

相手の国の人が書いた文章を読んでから自分の作文を考えると、新しい気付きも生まれるはずです。「勉強」というと抵抗がある学生もいるかもしれません。そんな場合は趣味の集まりも良い交流の場になると思います。アニメや漫画の世界には独特な言葉が溢れています。掲示板で日本のネットユーザーの発言を見ると、方言や流行語が混ざっていることが多く、理解が難しくなる場合があります。ネットで正確な意味を検索できない場合でも、人工知能は膨大な知識をもとに文脈にあった解釈をしてくれるので、すぐに言語の流行の最先端に追いつけます。

仮に実際に意見を述べたり、共通の趣味について語り合ったりするうちに、外国語を話してみたいという欲求が生まれるかもしれません。もし、現地で外国人の友人と会話の練習をする光景が見られれば、語学を愛する者としては感無量です。言語学習者は時代に合わせて学ぶべきです。AIが使えるようになったのなら、それをうまく使い、新しい言語の楽しみ方を模索していく必要があります。私は思いついたアイディアをどんどん試して、失敗しながらも経験を積んで、新技術と共に歩むための方法を探していきたいです。

今回の作文コンクールでは、未来の科学技術の発展による日中関系の新たな可能性について改めて考えさせられました。このコンクールをきっかけに両国民がお互いをよりよく理解し、友好関係が促進することを願っています。時代の流れとともに、教え方も、学び方も、交流の仕方も変化していきます。AIを活用して日中の新しいプラットフォームを構築し、文化交流を継続的に促進していけば、両国の未来はより明るくなるでしょう。

■原題:AIで日中交流の新たな発展を促す

■執筆者:盧佳鈺(大連外国語大学)

※本文は、第20回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集「AI時代の日中交流」(段躍中編、日本僑報社、2024年)より転載・編集したものです。文中の表現は基本的に原文のまま記載しています。なお、作文は日本僑報社の許可を得て掲載しています。

AIは日中交流の重要な架け橋に―中国人学生
日本語作文

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