南昌漢代海昏侯墓考古学的調査成果発表10周年および漢代地域文化学術シンポジウムが11月8日、中国南東部の江西省南昌市で開催され、海昏侯墓から出土した簡牘の修復の進捗状況などが発表されました。このうち、海昏侯の墓からは中国最古の詩集「詩経」関連の簡牘約1200枚が出土しており、秦・漢時代(紀元前221年~220年)の「詩経」全巻が初めて確認されたことが明らかにされました。
海昏侯墓は漢武帝の孫である廃帝劉賀の墓です。この墓からはさまざまな種類の文化財計1万点(セット)余りが出土しており、前漢時代(紀元前206~8年)の礼制や工芸技術、生活様式を系統的に示しています。紙が発明される以前、中国人は文字を書くための道具として竹簡と木片を多用していました。海昏侯墓からは計5000枚を超える竹簡と木片が出土しています。
湖北省荊州文物保護センターの方北松主任によると、海昏侯墓から出土した簡牘は腐朽、欠損、浸水、断裂などが激しいほか、簡牘に書かれた文字にも欠損、ぼやけ、変形などの問題があり、修復作業は困難を極めましたが、これまでに大部分の簡牘の保護作業が完了しており、2026年には全面的に完了する見込みだということです。
海昏侯墓考古学的調査の隊長を務める江西省文物考古研究院の楊軍研究館員は、「海昏侯墓からは『詩経』に関する簡牘が約1200枚出土した。合わせて305篇、1076章、7274字が確認されており、秦・漢時代の『詩経』全集が初めて発見されたことになる」と述べました。(提供/CRI)











