山東省煙台市の海陽にある東方航天港でこのほど、中国の民間企業・北京星河動力航天科技(星河動力)が開発した再利用型液体ロケット「智神星1号」 の第1段ロケットモジュール動力システム海上燃焼試験が成功を収めました。これにより、同ロケットの大規模地上試験は全て完了しました。

星河動力の張少丹・総合技術部副部長によると、「智神星1号」は再利用型ロケットとして、打ち上げ時質量283トン、低軌道最大運搬能力7トンの仕様で、大型コンステレーション(衛星群)の構築や大型衛星の打ち上げ市場を主なターゲットとしています。設計上の再利用回数は25回以上とされ、第1段ロケットは推進任務を完了した後、帰還することになっています。

関係者によると、「智神星1号」のエンジンは、シンプルで高効率なピントル式噴射器技術を採用し、可変推力と多数回起動が可能で、推力は50トンから20トンの間で調整できます。さらに、このロケットは7基のエンジンクラスター配置を採用し、単一エンジン故障時のフォールトトレランス制御能力を備えています。これは、1基のエンジンに障害が発生した場合、システムが故障状態をリアルタイムで検知し、制御指令を残り6基のエンジンに再分配することで、ロケットの安定した飛行を継続できることを意味します。

「智神星1号」は来年、甘粛酒泉東風商業航天創新試験区において、注目される初飛行を実施し、打ち上げ任務と併せて回収実験を検証する予定です。(提供/CRI)

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