2025年11月13日、中国のサイト・什麼値得買はこのほど、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の中国公開で改変が話題になっていると伝えた。
記事はまず、「『新世紀エヴァンゲリオン』の新たな劇場版シリーズの完結編『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」』が中国で10月31日に公開された。
続けて、「中国公開後、観客の意見は二つの大きな論争に集中した。まず映像の修正・カット問題だ。ファンによると、中国輸入版はオリジナル版に比べて約2分短縮されており、一部女性キャラクターの身体描写は拡大やぼかし、切り取りが施され、暴力表現や強烈な視覚演出もカットされた。さらに、低画質なぼかし処理を受け、『(画素数の解像度が)2Kから480ピクセルに落ちたかのようだ』との指摘もあった。一方、葛城(かつらぎ)ミサトの授乳シーンなど日常の温かみを象徴するシーンは維持された」とした。
そして、「もう一つの論点はタイトルとせりふの翻訳問題だ。今回は20年前の中国版タイトル『天鷹戦士』が踏襲され、一部観客からは『ノスタルジー補正』とやゆされた。また、作中に登場する『NERV(ネルフ)』を『神経元』、『SEELE(ゼーレ)』を『神力』、『渚(なぎさ)カヲル』を『自由意志』と翻訳するなど原意からの乖離(かいり)が見られ、宗教的表現はより安全な表現に置き換えられた。ただし、多くの観客は物語の理解に大きな影響はないと評価している」と言及した。
一方、「論争はあるものの、作品は多くの古参ファンの青春の記憶を呼び起こした。初回上映では宇多田ヒカルのエンディング曲『One Last Kiss』を最後まで聴き終えてから退場する観客も少なくなかった。また、自閉的な少年だったシンジの成長は制作者自身の自己との和解を反映していると解釈する者もおり、終盤の駅のシーンはキャラクターの解放とファンへの労いとして受け止められた。庵野監督の提示する『世界との和解』というテーマは、尖鋭さを失ったと批判されることもあるが、人文的配慮として評価する声もある」と強調した。
そして、「市場面では、同作の中国公開は日本アニメ映画の回復のシグナルと見なされ、同時期に公開された映画『小林さんちのメイドラゴン さみしがりやの竜』や『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』などは、客層ごとに作品を分けて上映する傾向を示した。しかし、中国当局による検閲の影響は依然議論されており、中国版には独自の評価基準を設け、オリジナルの芸術性が削減されたことによる評価偏差を避けるべきだとの意見もある」と伝えた。(翻訳・編集/岩田)











