2025年11月20日、シンガポールメディアの聯合早報は高市早苗首相の台湾有事に関する発言に中国が反発を強める中で、「中国人が訪日観光をやめたら本当に日本だけが損をするのか」と疑問を呈する記事を公開した。
記事は初めに「高市首相の台湾有事に関する発言に、薛剣(シュエ・ジエン)駐大阪総領事がSNSで『汚い首は斬ってやる』などと投稿するなど、日中関係は緊張の度合いをますます強めている。
中国のオンライン旅行サービスプラットフォーム「飛猪」によると、訪日を予定していた観光客のうち、78%が中国国内観光に変更したという。また、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)によると、日本の国内総生産の7%を占める観光業は近年の経済成長の原動力となっている。入国者総数の約5分の1を占める中国本土や香港からの観光客のキャンセルによる影響について、野村総合研究所の予測では年間約2兆2000億円の損失が生じる可能性があるという。
航空データプロバイダーOAGの上級アナライザー、ジョン・グラント氏は「日中間の航空便の主な路線は、上位5位まで中国資本の航空会社が受け持っている。今回の日中関係の緊張による影響は、日本の航空会社よりも中国の方が大きい」と指摘した。
フランスの投資銀行ナティクシスのアジア太平洋担当の上級エコノミスト、呉卓殷(ウー・ジュオイン)氏はビジネスSNS「リンクドイン」への投稿で、「韓国や台湾、米国からの観光客が増加することで、中国からの観光客を穴埋めする形になるだろう。時間の推移とともに、日本が中国人観光客への過度な依頼から脱却し、中国政府の対抗措置が以前のように強烈な衝撃とはならなくなることを意味している。完全な渡航禁止令でも出ない限り、人工的に作られたネガティブな感情でどれほどの旅行計画に影響するかは不透明だ。海外旅行が好きな中国人は全体の一部でしかないからだ」とつづった。
記事は「訪日キャンセルブームの出現で、あまり目立たない影響もある。本来国外へ向かうはずの消費力が短期間で中国国内を回流した場合、人気の旅行先の物価が高騰するのは間違いない。











