2025年11月24日、シンガポールメディアの聯合早報は、高市早苗首相の台湾有事に関する発言に中国が反発を強める中で、中国側がレアアースの外交カードを出すかに注目が集まっていると報じた。
記事は初めに、日本政府のレアアースにおける中国依存の解消に向けた取り組みについて紹介した。
日本エネルギー経済研究所の寺沢達也理事長や佐々木忠則上級研究ディレクターによると、これらの取り組みにより、日本は中国へのレアアース依存度を約60%まで削減したが、最近では70%以上に上昇しているという。今年5~6月には一部のレアアースの輸出規制で自動車メーカーのスズキは小型車「スイフト」の生産を停止した。高市首相の台湾有事に関する発言に中国が反発を強める中で、メディアの注目は対日外交カードとしてレアアースの輸出規制に踏み切るかに集まっている。
記事は3人の専門家を取材した。1人目のシンガポールのユソフ・イサーク研究所(ISEAS)のリー・リャンフー研究員は、「中国はレアアースの外交カードを出す前に、日本の農産品の輸入禁止や日本人入国ビザ免除の取消し、在中国の日本企業への強制執行など、他にも多くのカードが使える」と回答した。
2人目のシンガポール南洋理工大学ラジャラトナム国際研究院の何子恩(ホー・ズーエン)氏は、「レアアースは珍しい武器だ。中国が日本に圧力をかける目的は米国などの他国への警告にある。レアアースの外交カードを使いすぎると逆に他国が協力して対応策を検討するのを後押しすることになりかねない」と回答した。
3人目の東京大学公共政策大学院のヘン・イクァン教授は「いかなるレアアース関連の措置も潜在的な逆襲を引き起こすことに中国は気づいている可能性がある。
記事は最後に「中国が日本にレアアースの外交カードを出したとしても、米国から中国へ半導体チップの輸出規制をかけることはないだろう。日本と中国の2国間で影響を止めておいた方が、余計なことをして米国まで巻き込むほど事態を大きくするよりもいい。米中両国は今年クアラルンプールと釜山で首脳会談を行い、両国の貿易戦争は1年休戦を維持することなどで合意に達した。米国は想定外の事態を望むことはないだろう。そしてトランプ政権は現在、ロシアとウクライナの停戦に注力している。日本を応援している駐日米国大使の動きが目立っているが、矢面に立って日本を支える米国の政府要人の階級は駐日大使以上からそれほど高くなることはないだろう」と述べた。(翻訳・編集/原邦之)











