2025年12月22日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国政府が日本の自衛隊の元統合幕僚長に対し入国禁止などの制裁を発表した背景について報じた。
記事は、中国外交部が15日、自衛隊の元統合幕僚長である岩崎茂氏に対し、中国国内の資産凍結や入国禁止などの制裁措置を同日付で発効したと発表したと紹介。
また、制裁の背景として岩崎氏が今年3月に自衛隊幹部経験者として初めて台湾の行政院政務顧問に就任したことが考えられるものの、当時は中国政府が「歴史的罪責がある日本は言動を慎むべきだ」との批判にとどまっていたことを指摘。今になって厳しい制裁を打ち出したのは、岩崎氏が長年提唱してきた「日本版台湾関係法」の制定議論が、高市早苗政権下で現実味を帯び始めていることへの中国側の強い警戒感があると分析した。
記事は、岩崎氏が退官後、故・安倍晋三元首相の「台湾有事は日本有事」との考えに賛同し、米国の「台湾関係法」と同様に、日本も法的枠組みを通じて台湾への防衛装備品の提供や安全保障上の連携を可能にすべきだと主張してきたことを紹介。中国側はこの「日本版台湾関係法」の制定を、日中国交正常化の前提を根底から覆す「断交に等しい挑発」とみなしていると解説した。
そして、11月7日に高市早苗首相が「台湾有事」に踏み込んだ国会答弁を行ったことで危機感を強めた中国政府が、岩崎氏個人への制裁を通じて、高市政権に対し「これ以上台湾問題に踏み込めば容赦しない」という厳しい警告を改めて与える意図があるとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)











