2025年12月25日、台湾メディア・自由時報は、台湾・国民党の鄭麗文(ジョン・リーウエン)主席が「台湾人は中国語を書くから中国人」などと発言したことに対し、ジャーナリストが猛反論したと報じた。

記事によると、鄭主席は22日に東呉大学で講演した際に「台湾人は中国語を書き、中華料理を食べ、中国の神を祭っているのだから、当然『中国人』である」と主張した。

これに対して、ジャーナリストの詹凌瑀(ジャン・リンユー)氏は24日にフェイスブック上で反論した。

詹氏は「文化的な源流を政治的な帰属に無理やり結びつける論説は、論理的に全く破綻している。米国人は英語を話すからといって果たして英国人なのか。米国やニュージーランド、オーストラリアの人々はみな英語を話し、シェークスピアを読み、洋食を食べ、英国と文化的な源流を共有している。文化は共有できるものだが、主権と国籍は独立したものだ」と論じた。

「台湾人は中国語を書くから中国人」と国民党主席、ジャーナリストが猛反論―台湾メディア
東呉大学

また、「シンガポールこそが最高の反証だ。シンガポールの華人も同様に箸を使い、旧正月を祝い、先祖を祭る。もし鄭氏の基準に従うなら、シンガポールも中国の一部になってしまうのではないか。私が台湾で寿司を食べ、アニメを見たからといって日本人になるわけではないし、ハンバーガーを食べ、ハリウッド映画を見たからといって米国人になるわけでもない。言語や食べ物はコミュニケーションや生活のための道具であって、政治的な忠誠を誓う契約書ではない」とも指摘した。

そして、鄭主席に対して現代国家を構成する最も重要な要素が「公民意識」であるという点を見落としていると批判。市民のアイデンティティーは文化やルーツではなく、「ともに信じる価値観、そしていかなる国家を築きたいと願うかによって決まるものだ」と結論付けている。

(編集・翻訳/川尻)

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