2026年1月13日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国が太陽光パネルやバッテリーの輸出補助を減らすことが欧米の産業にとって朗報になるとするフランス紙の報道を紹介した。

記事は仏紙「レゼコー」上海特派員の報道を引用し、中国政府が4月1日より国内太陽光パネルメーカーに対する輸出付加価値税の還付優遇措置を撤廃し、バッテリー業界に対する同様の補助も同日より9%から6%に引き下げ、27年には廃止する方針を示したと紹介。

ブルームバーグの報道として、この発表後にバッテリー業界最大手の寧徳時代(CATL)をはじめ、億緯鋰能や国軒高科などの関連メーカー株が軒並み下落したことを報じた。

そして、中国政府による方針転換について、「内巻」(建設性のない悪質な内部競争)が深刻化する2分野に対する産業支援政策の再調整という意味合いを指摘。同時に、土地の使用権売却を主な収入源としていた地方政府が不動産不況で財政難に陥り、企業に対して還付金を支払う余裕がなくなったという背景が存在する可能性にも触れた。

記事は「内巻」について、1985年に設けられた輸出還付政策が発端になっていると分析。この政策によって多くのメーカーが補助金頼みの値下げ競争に飛び込んで過酷な「内巻」が発生し、利益率の圧縮や赤字を招き、政府が介入せざるを得ない局面に至ったと解説している。

その上で、太陽光パネルの価格が過去1年半で半減し、2023年上半期の1ワット当たり0.2ドル(約32円)から、25年初頭には0.07~0.09ドル(約11~14円)まで下落したことに言及し、中国経済メディア「財新」の報道として、25年1~9月における業界の損失が44億ドル(約7000億円)に達したと伝えた。

今後の見通しについて記事は、ウッド・マッキンゼーのアナリストの分析を引用し、中国政府による還付撤廃を含めた一連の措置により太陽光パネル価格が9%上昇する可能性があると伝えた。また、中国光伏(太陽光発電)業界協会(CPIA)の見解として、今回の措置が国際価格水準への回帰を助け、貿易戦争のリスクを低減し、財政資源をより合理的に配分することにつながると報じた。

さらに、26年から始まる第15次5カ年計画の中で、電気自動車(EV)業界についての言及がないことにも着目。これは10年ぶりの状況であり、「内巻」が激化する業界において、小規模企業の淘汰と市場の自然な統合を政府が望んでいる表れの可能性があるとも指摘している。

記事は、太陽光パネル、バッテリー分野について欧州が長年「中国は公的補助金を用いて不公正な競争を行っている」とみなしてきたことから、今回の措置は「欧州に対して善意を示す狙いがあるようだ」とも分析した。

そして最後に、「レゼコー」がカナダのカーニー首相による8年ぶりの訪中にも注目し、悪化した2国間貿易関係の修復と、トランプ政策の影響下での対米依存の軽減が目的だと報じたことにも言及した。

米国という巨大な不確実性を前に、中国と欧州やカナダが経済合理性に基づいて接近し始めている動きを示唆したものと見られる。(編集・翻訳/川尻)

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