2026年1月16日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、高市早苗首相が早期解散総選挙に踏み切る狙いについて報じた。

記事は、高市首相が14日に自民党の鈴木俊一幹事長や日本維新の会の吉村洋文代表ら与党幹部に対し、衆議院を解散し早期に総選挙を行う意向を正式に伝えたと紹介。

詳細は19日に発表される予定であるものの、23日の通常国会召集日に解散し、総選挙の投票日は2月8日または15日になると予測が出ており、実現すれば日本では36年ぶりの冬季の国政選挙になると伝えた。

そして、昨年10月に少数与党で発足した高市政権の足元が今なお盤石とは言い難いと指摘。衆議院では、日本維新の会から離党した「改革の会」の3議員を11月に院内会派に取り込むという数合わせでなんとか過半数を獲得したのが現状である上、参議院では依然として少数派のままであるため、薄氷を踏むような政権運営が続いているとした。

その上で、高市氏が政権基盤を強化するための早期解散を決断した要因の一つが80%近い「異例とも言える高い支持率」にあると解説。このタイミングで選挙で勝利すれば、自民・維新連立政権の基盤が強化されるだけでなく、2024年秋の選挙で失った自民党単独での絶対安定多数を奪還する可能性もあるとした。

そして、デュースブルク・エッセン大学の日本政治専門家、アクセル・クライン氏が「これはリスクを伴う賭けだが、高市氏は自身の人気に賭け、新たなパートナーである維新を『不要な存在』にしようとしているのかもしれない」とも分析していることを紹介した。

記事はまた、高市首相が「日本初の女性首相」という象徴性に加え、ガソリン税廃止や電気・ガス代への補助金、さらなる減税策など、有権者にわかりやすい経済刺激策を進めていることで人気を集めていることに言及。衆院解散報道の後で日経平均株価が史上最高値を更新したことにも触れ、市場もその積極財政に期待を示していると伝えた。

さらに、台湾有事に際しての強硬発言で中国から経済制裁を受けても妥協しない姿勢を見せていることも、世論のさらなる共感を呼んでいると評した。

その一方で、専門家からは早期解散が裏目に出るリスクが2点指摘されていると紹介。まず1点目として、高市氏の個人的人気が裏金問題などにより低迷する自民党自体の支持回復には結びついていない点を挙げた。

また、2点目では最大野党の立憲民主党と、かつての連立パートナーである公明党が合流し、「中道」勢力として対抗する動きがあることに言及。

長年の「自公協力」による公明党の組織票を失った自民党が、高市氏の「空中戦」だけでその穴を埋められるかが焦点になるとするクライン氏の見解を伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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