中国メディアの環球時報は20日、「『仰視』から『同じ目線』へ、変わりつつある韓国の対日認識」と題する文章を配信した。執筆者は上海対外経貿大学・朝鮮半島研究センターの詹徳斌(ジャン・ダービン)教授だ。

文章はまず、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は16日、同国を訪れた麻生太郎元首相と会談し、双方は李大統領の奈良訪問や日韓首脳会談の成果について意見を交わしたと言及。そして、「李大統領は高市早苗首相の温かいもてなしに謝意を示し、今回の訪日は『シャトル外交』を強固にするものだと評価した」と続けてから、「これを歴史的な視点で見れば、李大統領の言動には韓国の対日認識の構造、日韓関係の深層での変化が映し出されていることが分かる」と論じた。

次に記したのが、「韓国にとって日本は単なる隣国ではなかった」という一文だ。文章は「30年以上にわたる植民地支配は、『日本とどう向き合うか』を韓国の国家アイデンティティーと外交心理において回避できない問題にしてきた」と続け、「植民地支配からの解放後、主要指標で日本を上回ることは次第に韓国の長期的に存在する一種の国家、民族の悲願へと変わった」と指摘した。

さらに「長い間、日本は韓国から『先行者』と見なされ、韓国は懸命に追い掛ける側だった」と記し、このため韓国の対日外交には歴史問題では日本に毅然と反対する一方、現実的な政策では日本に学ばざるを得ないという構造的矛盾が長く存在してきたと論じた。

文章によると、「心理的な仰視」と「政治的対抗」が併存する状態は日韓関係の方向性に大きな影響を与え、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時の2004年に始まった「シャトル外交」の繰り返される中断と再開はこうした心理的矛盾を体現しているという。

そして文章は「中断と再開の繰り返しは単なる政策技術上の問題ではなく、双方の相手国への地位認識が非対称だった結果だ」と記し、「韓国は対等な姿勢で2国間関係を取り扱うことを望んだが、日本は長きにわたって韓国を真に対等な相手と見なしてこなかった」と言及。李大統領が14日に日本訪問を終えた後、韓国大統領府が今回の訪問を「韓日シャトル外交の全面確立の象徴」といち早く宣言したのも、日韓関係がより並行的で現実的、制度化された関係に移行しつつあることを対外的に示したいという意図の表れだと論じた。

また、「韓国の対日姿勢の変化は今に始まったものではない」として、「盧武鉉政権期に見られた歴史や主権問題で日本に真正面から立ち向かう姿勢は、長期的に見れば韓国の自信が高まりつつあったことの表現にほかならない」と指摘。「20年余り前、サムスンのブランド価値が初めてソニーを上回ったことは、韓国社会の対日認識に影響を与えた歴史的節目と見なされた」とも記した。これ以降、韓国では「次に日本を超える指標は何なのか」が絶えず思案されるようになったという。

文章は「近年、韓国が大衆文化、製造業、デジタル産業、軍事力、イノベーション力などの分野で持続的に向上する中、韓国社会の対日観はついに根本的な転換を迎えた」とした上で、「すなわち、『仰視』から『同じ目線』への転換だ」と言及。

1人当たり名目国内総生産(GDP)で韓国が日本を上回ったことにも触れ、「こうした対日認識の変化は韓国の政治家や主要メディアによっても公に言及されるようになっている」と述べてから、語られる言葉の変化そのものが韓国社会が長年の心理的ハードルを越えつつあることを物語っていると論じた。

最後に「李大統領の今回の訪日は両国の関係改善のシグナルというよりも、関係再構築を示す注釈だ」と記し、「日本を仰視するのではなく、同じ目線で対日関係を扱う韓国は北東アジア政治における現実的な変数になりつつある」と結んだ。(翻訳・編集/野谷)

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