独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は10日、「中国のソフトパワーが西側の対中政策に変化をもたらしている」との記事を掲載した。

記事は、スイス紙ノイエ・チューリヒャー・ツァイトゥングの論評を紹介。

同論評は「中国脅威論は長年にわたり米国の保守派と民主党が合意できる数少ない議題の一つだった。しかし、この超党派のコンセンサスは急速に崩れつつある。大多数の米国人、特に民主党支持者は、中国とのより広範な協力を望んでおり、関税や貿易障壁に反対している」と指摘した。

また、「世界的にも、同様の傾向が見られる」とし、「欧州15カ国を対象とした世論調査によると、回答者の大多数は今後数年で中国の影響力が上昇すると考えており、ますます多くの人が中国を不可欠なパートナーと見るようになっている」と言及。「多くの人は米国の影響力は維持されるものの、これ以上強まることはないと考えており、米国を同盟国とみなす回答者はわずか16%で、約2割が米国をライバルまたは敵とみなしている」と伝えた。

さらに、カナダのカーニー首相が米国のトランプ大統領を批判し、新たな対中戦略的パートナーシップを始動させたこと、英国のスターマー首相が同国首相としては8年ぶりに北京を訪問したこと、ドイツのメルツ首相も2月下旬に経済代表団を同行しての訪中を予定していることなどを列挙。「これらの国々はいずれも中国を単なる競争相手ではなく、不可欠な協力パートナーと位置付けている。各国の対中政策はますます実務的なものとなり、中国の人権に関する批判は次第にトーンダウンしている」と指摘した。

同論評は、「『中国脅威論』や『中国崩壊論』といった固定観念だけで中国を捉えるのは明らかに時代遅れ。中国のイメージはより立体的で現実的なものになりつつある」としつつ、「これは、中国のすべてが好感を持って受け止められているという意味ではない。中国政府による人権問題や台湾への威嚇などは周知の事実であり、世界が目を背けることは決してない。しかし、中国に対する本能的な疑念は明らかに以前ほど強くはなくなっている。

中国製品が西側の日常生活の一部になるにつれ、中国のイメージそのものが再構築されつつある」と論じた。

そして、「トランプ氏の後継者が再び国際的な責任を引き受け、同盟国との関係を修復した場合、中国の人気が再び低下するのは避けられない。同時に、中国自身の行動もまた重要であり、武力で台湾に侵攻したり、国民の自由を締め付けたりすればそのイメージは急落する」とし、「つまりLabubu(ラブブ)が西側で引き起こした熱狂は中国政府が西側の信頼を獲得したことを示すものではなく、西側における中国への関心の方向性が変化したことを意味している。米国の輝かしい地位はその多くがソフトパワーによるものだった。今、中国のソフトパワーはまさにその米国に挑戦しつつある」と結んだ。(翻訳・編集/北田)

編集部おすすめ