中国メディアの環球時報は10日、「金(ゴールド)と銀(シルバー)のブームの背後に中国の『おばさん』投資家がいる」との米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの報道を紹介した。中国の個人投資家が世界的な貴金属価格を支える重要な存在になっているという。
記事によると、世界で地政学的な緊張や不安定な要因が起きる中、中国では資産防衛の手段として金を購入する動きが広がっている。北京在住の43歳の高校教師・田(ティエン)さんもその一人だ。田さんは春節(旧正月)を前に北京最大級の宝飾市場を訪れ、金のブレスレットやネックレス、指輪を購入したという。
中国は現在、世界のトレーダーから「金属ブーム」を後押しする原動力と見られている。一般の中国人投資家が、金や銀の価格を過去最高水準へと押し上げているのだという。世界黄金協会(WGC)のデータでは、2025年に中国の投資家が購入した金地金・金貨は432トンに達し、前年から28%増加。これは、同年の世界全体の購入量の約3分の1を占める。
金価格は足元で大きく変動しているものの、田さんは「世界の地政学情勢はますます緊張している。金はとても優れた安全資産であり、資産を守る最良の手段だと思う」と強気に語った。金に投資する層は田さんのような中高年の女性投資家だけにとどまらない。Z世代を含む幅広い年代で、金は依然として有力な資産保有手段として受け止められている。
国際指標価格と比べると、中国国内の金・銀取引にはプレミアム(手数料・加工費などの上乗せ)が生じる。
WGCによると、25年には中国の金ETFへの資金流入が過去最高を記録した。また、上海先物取引所における金先物の取引量も年間で最高水準に達している。一方で、現物の金を求める人も少なくない。金取引市場や宝飾店では、金地金やガラス容器に入った1グラム単位の「金豆」と呼ばれる小型の金製品を買い求める人々が列を作っている。
中国では、デジタルを活用した手軽な投資から現物購入まで、多様な形で金への関心が高まり続けており、その動きが国内市場だけでなく、国際的な貴金属市場にも影響を与えている。(翻訳・編集/北田)











