2026年2月12日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)は「中国系の優秀な2選手はなぜ炎上騒動に巻き込まれたのか」と題し、中国にルーツを持つ2人の選手、谷愛凌(グー・アイリン)と劉美賢(アリサ・リュウ)がミラノ・コルティナ冬季五輪を機に米国のネット上の激しい批判の嵐に巻き込まれたことを報じた。

記事は、今回の論争の直接の火種となったのが谷の発言だったとし、中国代表として出場した谷がフリースタイルスキー女子スロープスタイルで銀メダル獲得後のインタビューで金メダルを取れなかった敗因を問われた際に、「二つの国の重荷を背負っている」と語り、この発言が米国ネットユーザーの強い怒りを招いたと紹介した。

また、米国のスキー選手ハンター・ヘスが「現在の米国で起きていることに賛同できない」と述べたことに対し、トランプ米大統領が「真の敗者」と酷評したことについて、谷が「五輪の焦点がこうした話題で覆われるのは残念で、完全に五輪精神に反する」と反論したことにも言及。この発言がさらなる反発を呼び、元NBA選手のエネス・カンター氏が谷を「米国で育ちながら中国代表として出場した裏切り者だ」と痛烈に批判したことを伝えている。

一方で、谷への非難が渦巻いた前日に、リュウが米国代表としてフィギュアスケート団体で金メダルを獲得したことを指摘。この「対比」が結果的に谷をめぐる論争を激化させる背景になったと分析し、一方は勝利後に星条旗を掲げた「米国の英雄」、もう一方は米国の教育とトレーニングを受けながら中国代表として出場した選手として、米国ネットユーザーが両者を対照的に語り始めたと解説した。

中国系の優秀な2選手はなぜ炎上騒動に巻き込まれたのか―仏メディア
アリサ・リュウ

記事はその上で、両者の背景について触れ、谷は父が米国人、母が中国人で、4年前の北京五輪では当時18歳で中国代表を選択して金2、銀1の成績を収めた一方、リュウは米国に亡命した元大学院生の父を持つと紹介。この背景により「利益を重んじ日和見的だと批判される選手」対「北京からの帰化勧誘を断った亡命者の娘」という図式が米国ネット上で形成されたとも分析している。

記事は一連の騒動について、個人の選択の問題を超え、米中両大国があらゆる分野で繰り広げる全面的な角逐が、「政治とは別」とされてきたスポーツの世界にも投影されたものだとするアナリストの見解を紹介。米国ネットユーザーによる谷への批判は、近年の米国や西側諸国における中国のイメージ悪化とも深く関わっていると指摘した。(編集・翻訳/川尻)

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