2026年2月16日、香港メディア・香港01は、北京市体育局がスキー選手・谷愛凌(グー・アイリン)らに巨額の資金援助を行っていたとする米メディアの情報を報じた。

記事は、米紙のウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を引用し、谷とフィギュアスケート選手の朱易(ジュー・イー)に対し、過去3年間で総額約1億元(約22億1000万円)の公的資金を支給する予算書が一時的に外部へ流出していたと紹介した。

そして、この金額が昨年の予算書に記載された直後に両選手の名前が文書から削除されたとし、情報の消去がいかに素早く行われたかを伝えた。

その上で、中国の「挙国体制」下ではアスリートへの報酬そのものは珍しくないが、その金額は厳重に秘密とされることが常であると指摘。今回の流出は、国際的なスター選手に支払われる報酬の実態を外部が垣間見る極めて稀な機会となったとした。

また、流出した予算によると、直近の資金提供の目的はミラノ冬季五輪への出場権獲得および優秀な成績の獲得であったと解説。一方で、肝心の両選手の現状は対照的で、谷はフリースタイルスキー女子ビッグエアなど3種目に出場したのに対し、朱は中国代表メンバーから外れたと伝えている。

中国2選手への巨額の資金援助情報が流出、その後削除―米メディア
谷愛凌

記事はさらに、中国代表として出場した谷の国籍問題についても言及し、完全な国籍状況は依然として謎のままであると指摘。スポンサーのレッドブルは22年に自社サイト上で「中国代表となるために米国パスポートを放棄し帰化した」と記載していたものの、WSJの問い合わせを受けて当該記述は削除され、同ブランドも関連質問への回答を拒否していると報告した。

同時に、谷の代理人もWSJの問い合わせに応じておらず、本人も国籍の詳細についての説明を一貫して避けていると伝えた。

記事は朱易の経歴についても触れ、ロサンゼルス生まれで、中国史上初のフィギュアスケート帰化選手として18年に中国籍を取得し、19年シーズンから中国代表として出場してきたと紹介。公的資金を投じた強化策の成否が問われる中、国籍の透明性をめぐる問いは依然として答えが出ないままとなっていると論じた。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ