2026年3月5日、中国メディア・香港01は、中国政府が2026年の経済成長目標を「4.5%~5%」と1990年代初頭以来の最低水準に設定した背景とその戦略的意図を報じた。
記事は、この低成長目標が景気減速の表れではなく、政府が「速度崇拝」から自発的に脱却するシグナルだと指摘。
また、4.5%という下限は、35年までに1人当たりGDPを中等先進国レベルに引き上げるという長期目標から逆算した数字であると解説。北京大学の蘇剣(スー・ジエン)教授が、この目標設定は中長期目標の達成を支えつつ、過度な高成長追求がもたらす資源の誤配分や債務リスクの蓄積を回避する狙いがあると分析したことを伝えている。
さらに、今回の目標設定には「構造調整、リスク防止、改革促進のための余地を残す」という深い政策的意図があるとも解説。とりわけ、「内巻式競争(過当な悪性価格競争)の是正」が初めて政府活動報告に盛り込まれた点に注目し、企業が利益なき価格競争に追われ、収入と消費が低迷する悪循環を断ち切るため、「モノへの投資」から「人への投資」へ転換する方針が打ち出されたと紹介した。
このほか、消費者物価指数(CPI)上昇率目標を「2%前後」に維持しつつ、「物価をマイナスからプラスに転換させる」ことが政策課題に明記された点にも言及。これは政府が「供給過剰・需要不足」という経済の構造的課題を公に認めたことを意味すると分析した上で、具体策として「都市・農村住民所得増加計画」の策定が掲げられたことを伝えている。
記事は、ロイター通信がエコノミスト・インテリジェンス・ユニットの徐天成(シュー・ティエンチョン)氏の見解として、「中国政府が高成長率を必ずしも歓迎しないのは、地方政府による実績の水増しやデータ偽装を助長しかねないためだ」と報じたことを紹介。この目標が不動産時代の終わりを認め、AIや新エネルギー車が主導する次の10年へ向けた転換の余地を確保する「生き方を変える」選択だと結論付けている。(編集・翻訳/川尻)











