2026年3月17日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、米国とイスラエルによるイラン攻撃が続く中、中国経済に回復の兆しが見え始めており、巨大な石油戦略備蓄が相対的な優位をもたらしているとする分析を伝えた。

記事は、中国政府が発表した今年1~2月の経済データで小売売上高、工業生産、企業投資がいずれも回復し、消費者物価の上昇率が3年ぶりの高水準に達するなどデフレ圧力にも緩和の兆しが見られると紹介した。

その上で、ロイターの分析として、ホルムズ海峡の緊張が高まる中、中国が長年重視してきたエネルギー安全保障が経済を有利な立場に導いていると指摘。1~2月の石油輸入量は前年同期比16%増の日量1200万バレルに達し、商業・戦略用の原油備蓄は推定12億バレルと少なくとも4カ月分の供給を賄える規模だとしている。

一方で、中国の25年の貿易黒字が1兆ドル(約160兆円)を超え、輸出依存度が過去最高に達していることにも触れ、欧州やアジアで成長鈍化やインフレが深刻化すれば中国経済も影響を免れないと指摘した。

さらに、オランダのラボバンクが今月15日に発表した分析として、トランプ政権がベネズエラ、パナマ、キューバ、イランなど中国が影響力を拡大してきた地域で活発に動いている背景には、中国のエネルギー供給路の要衝を押さえる狙いがあると紹介。「北京へのメッセージは明確だ。レアアースで米国の利益を損なうなら、米国もエネルギーで中国の利益を損なう」との分析を伝えた。

記事は、ロイターのコラムニスト、ジェイミー・マクギーバー氏の見解にも触れ、米国がイラン戦争の泥沼にはまった場合、中国の戦略的影響力を削ぐ試みは失敗し、トランプ大統領が北京を訪問する際には習近平(シー・ジンピン)国家主席の交渉力がさらに強まるとの見方を紹介している。

このほか、米軍がアジア太平洋地域から中東へ兵力を引き抜いていることで、日本や台湾など同盟国への米国製武器・弾薬の引き渡しが遅延する可能性にも言及。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が高高度防衛ミサイル(THAAD)などの中東移転に反対しつつも、米韓同盟の力関係を考えれば「完全に自分たちの望み通りには行動できない」と述べたことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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