フランスメディアのRFIはこのほど、中国当局が外来観光客の誘致やクルーズ船関連事業の育成に注力していることを紹介する記事を発表した。消費拡大により、不動産危機以来低迷している経済を立て直す意図があるという。
中国商務部はこのほど、他の政府8部門と共同で、一連の関連政策措置を打ち出した。中国大陸部を訪れた外来観光客(外国人および香港・マカオ・台湾人)への売上促進を目指すもので、ビザ関連の利便化、対外マーケティングの推進、決済環境の最適化、購入商品の免税手続きの改善などを含んでおり、外来観光客の満足度を総合的に向上させ、制度面や技術面の障害を軽減する試みだ。
中国の公式データによると、2025年に中国が受け入れた外来観光客は前年より3割余り増加して延べ3500万人を突破した。外来客への売上規模は4000億元(約9兆200億円)に迫った。中国政府は、外来客による消費はサービス貿易の重要な構成要素であるだけでなく、内需をけん引して経済の再均衡を推進する鍵と考えている。そして、国全体としてより魅力的な観光のイメージを作り上げ、多言語サービスやデジタル化の水準を向上させることで、激しい国際観光競争の中で再び一翼を担うことを望んでいる。
中国はその一環として、クルーズ船産業を発展させることで新たな消費分野を広げている。3月20日には2隻目の国産大型クルーズ船「愛達・花城(アドラ・フローラシティ)」が上海で進水した。高度な製造能力の象徴と見なされるこのクルーズ船は、年末に営業運航を開始する計画であり、広州を母港として、東南アジア向けの観光航路を切り開く。21年12月に中国初の国産クルーズ船として進水した「愛達・魔都(アドラ・マジック・シティ)と比べて、アドラ・フローラシティは空間設計とスマート化レベルの両面で向上しており、複雑な船舶製造分野における中国の進歩を際立たせている。
クルーズ船産業の波及効果は観光そのものをはるかに超え、港湾サービスや物流サプライチェーン、さらには小売業までを網羅する。中国当局がクルーズ船産業を通じて「製造中心」の産業構造から「消費+サービス」への転換を推し進めることを望んでいることは明らかだ。
中国は外需の不確実性が高まりつつある中で、海外からの観光客を引き付け、中国本土のハイエンド消費を育成することで、経済の弾力性を強めている。この戦略が国際的な競争の中で成果を上げ続けられるかどうかには依然として注視が必要だが、政策と産業の方向性の一致は日増しに鮮明になっている。(翻訳・編集/如月隼人)











