マレーシアメディアのe南洋は27日、「シンガポールが中東マネー流出の恩恵を受ける」とする香港メディア、亜洲週刊の記事を掲載した。
記事はまず、「中東紛争は、中東の金融センターの一つであるドバイに影響を与え、中東マネー流出を引き起こした。
記事によると、米国とイランの紛争が世界経済に大きな不確実性をもたらしているにもかかわらず、シンガポールの高級住宅販売は影響を受けていない。一方、ドバイからはマネーと外国人が流出しており、国際金融センターの一つであるシンガポールは、中東マネーの流入先となることが予想され、より多くの富裕層がシンガポールに移住する可能性が高まっている。
シンガポール中心部のリバーバレーに位置する高級リバーサイドコンドミニアム「リバーモダン」は、3月上旬に販売が開始されると最初の週末までに全455戸のうち410戸(約90%)が売却された。平均売却価格は1平方フィート当たり3266シンガポールドル(約40万4984円)。
デベロッパーのグオコランドによると、購入者のほぼ全員がシンガポール国民または永住権保持者だが、アナリストらは、この高級住宅の好調な売れ行きについて、中東紛争を含む地政学的緊張が続く中、シンガポールが安全な避難場所としての地位を確固たるものにしていると分析する。ますます不安定化する世界情勢を鑑みると、より多くの富裕層がシンガポールに移住する可能性があり、それによって高級非土地住宅の需要が刺激されるとみられる。シンガポールの法律では、市民権または永住権をまだ取得していない外国人が購入できるのは、非土地民間住宅、つまり民間アパートだけだ。ハットンズグループのまとめによると、シンガポール中心部における500万シンガポールドル(約6億2000万円)以上のアパートの総販売額は、2024年の16億シンガポールドル(約1984億円)から25年には26億シンガポールドル(約3224億円)へと62.5%増加した。
コロナ禍以降、シンガポールの民間不動産市場は、新規移民のマネーの助けを受けて活況を呈している。永住権取得の第一の目標は住宅を購入することだ。夫婦共に永住権保持者の場合、あるいは収入が公営住宅購入の上限を超えるほど高い場合、購入できるのは民間住宅だけだ。
不動産以外にも、中東マネーは戦争から逃れるため東アジアに流入しており、国際金融センターであるシンガポールがその主要な受益者となっている。3月初旬にイランがドバイに対してミサイルとドローンによる攻撃を行った後、一部の投資家はシンガポールや香港などの金融センターに資金を移すことを検討した。ドバイ在住のインド人起業家2人は、リスクを軽減するため現地の銀行からシンガポールへ資金の一部を送金しようとしたところ、攻撃後のシステム障害により送金が一時的に中断されたと報じられた。ドバイとアブダビへの攻撃は、この地域の安定性と安全保障に対する懸念を引き起こし始めている。シンガポールを拠点とする資産管理弁護士ライアン・リン氏は、ドバイにいる約20人の顧客のうち数人から連絡があったと述べた。顧客1人当たりの平均資産額は5000万ドル(約79億5000万円)で、少なくとも3人は資金をシンガポールに移した。アンダーソン・グローバルのアイリス・シュー氏は、約20のファミリーオフィスが中東からシンガポールへの資産移転の可能性を探るため同社に問い合わせてきたと述べた。実際、米国、イスラエルとイランが戦争を始める前から、地政学的および貿易上の不確実性を背景に、世界の富はシンガポールに流入していた。25年にシンガポールの三大銀行(DBS、OCBC、UOB)は約610億ドル(約9兆6990億円)の純資産流入を獲得し、資産運用規模は過去最高の1兆シンガポールドル(約124兆円)に達した。世界第4の金融センターであるシンガポールは、安定した政治、厳格な法制度、自由な貿易政策、明確な規制枠組み、地域における富裕層の中心地としての機能により、安全な避難場所を求める富裕層にとって好ましい目的地となっている。
シンガポールは富裕層にとって安全な避難所であるだけでなく、安全で質の高い生活環境により、市民権を求める多くの超富裕層にとって人気の高い移住先でもある。シンガポールの富豪トップ10の大半が中国出身者など外国人移民だ。フォーブス誌が発表した2026年版の世界長者番付によると、台湾のASEグループ会長である張虔生氏が142億ドル(約2兆2578億円)の資産で、台湾出身者として初めてシンガポールで最も裕福な人物となった。張氏は20年以上シンガポール市民権を保持しており、人工知能(AI)にけん引された半導体ブームのおかげで資産は2倍以上に増加した。シンガポールの富豪トップ10には、マインドレイ・メディカルの創業者である李西廷氏、電子商取引会社シーの創業者である李小冬氏、海底撈火鍋の創業者である張勇氏、フォーカス・メディアの創業者である江南春氏、華住ホテルの創業者である季奇氏の5人の中国出身者が含まれている。(翻訳・編集/柳川)











