コロナ禍で、常にマスクを付けたり、部活動や友達との遊びに制限がかかったりと。

ただでさえ勉強の不安もあるのに、ストレスがたまることだらけだよね。


スタディサプリ進路が、高校生207人にアンケート調査を行ったところ、「コロナ前と現在でストレスを感じる機会は増えましたか?」という質問では、

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※コロナ禍でストレスがたまっている人が多いみたい



4人に3人以上が、ストレスを感じる機会が増えたと答えている。

そこで、みんながやっているストレス解消法を聞いてきたよ。

さらに効果的なストレス解消法について明治大学教授・堀田秀吾先生が解説!

先生オススメ!すぐにできるストレス解消法も必見!【今回教えてくれたのは…】
簡単!スッキリ!教えて!みんなのストレス解消法!

堀田秀吾先生
明治大学教授。言語学者(法言語学、心理言語学)。
司法分野におけるコミュニケーションに関して、社会言語学、心理言語学、脳科学などのさまざまな学術分野の知見を融合した多角的な研究を国内外で展開している。
また、研究以外の活動も積極的に行っており、企業の顧問や芸能事務所の監修、ワイドショーのレギュラー・コメンテーターなども務める。

著書に『図解ストレス解消大全 科学的に不安・イライラを消すテクニック100個集めました』(SB Creative)、『絶対忘れない勉強法』(アスコム)、『最先端研究で導きだされた「考えすぎない」人の考え方』(サンクチュアリ出版)『科学的に元気になる方法集めました』(文響社)ほか多数。
みんなはどんなときにストレスを感じるの? どんなときにストレスを感じるのか、高校生207人に聞いてみると、

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※行動に制限があると不安を感じることが多くなる⁉

「どんなときにストレスを感じる?」

【Real Voice】
「思ったようには外に出られず、毎年行っていた旅行も、友達とカラオケや遊園地へ行くこともできなくなってしまった」(高1男子・三重県)

「吹奏楽部のコンクールや大会が次々と中止や延期になり、すごくストレスになった」(高1男子・長野県)

「友達との写真がマスクをしたものばかりになってしまい、顔がわかりづらくなったこと」(高1女子・香川県)

「海外への修学旅行、部活の大会。文化祭や体育祭。楽しみにしていた青春が全部なくなってしまった。ずっとオンライン授業で、仲間と助け合いながら受験を乗り越える、という思い出すらなくなってしまった」(高3女子・東京都)

「映画に行けない。好きなアイドルのライブやイベントへ行けない。
行けたとしても声が出せない。学校などで友達と向かい合ってお弁当が食べられない。大声で騒げない」(高2女子・茨城県)
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※たまったストレスを解消するにはどうすればいいの?



やはり、コロナによるさまざまな制限がストレスになっているようだ。

そもそもストレスを感じるしくみは、どうなっているのだろうか?

堀田秀吾先生に聞いてみると、

「ストレスを感じる基本は『不安』です。コロナ禍、受験、新しい環境など、先が見えていない不安感がストレスにつながります。

オンライン授業や部活、学校行事などの中止による『運動不足』『コミュニケーション不足』『オンオフの切り替えがない』、これらの要因が心の不安を引き起こしていくと言われています。


人間の脳は常に新しい刺激を求めているので、例えば家でパソコンの画面を見ているだけの生活だと、同じ刺激ばかりで脳の切り替えができず疲れてしまいます。

直接人と会って表情を見ながら話をすると、幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシン、感情や精神の安定に深くかかわるセロトニンという神経伝達物質が脳内で分泌されると言われています。

しかし、オンラインの画面上でのコミュニケーションでは、これらの物資が分泌されにくいため、感情のコントロールが難しくなり、ストレスを感じてしまうのでしょう。

ストレスがたまると、鬱、不安感、睡眠障害、肩こり、眼精疲労、腹痛や下痢などの腹部症状、倦怠感、気力の減退など、さまざまな悪影響を及ぼしかねません。脳は、身体の状態や働きから自分のことを判断します。

身体から『楽しい』という信号が脳に送られてくると、脳は『自分は楽しい。
元気なんだ』と判断するわけです。そのため、元気になる行動をすれば、不安がなくなり、心が元気になると言われています。

ストレスを解消するには、ある意味、脳をだますことがポイントになるでしょう」

みんなのストレス解消法を教えて!みんなのおすすめのストレス解消法を聞いてみると、

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※みんなのおすすめのストレス解消法のキーワードは「楽しい!」



堀田先生が言うように「楽しい」という気持ちになったり、元気になる行動が多いようだ。

それぞれのストレス解消法について、堀田先生に解説してもらい、もっとこうしたら良いという方法も聞いてみた。

みんなのストレス解消法01:歌を歌う、大声で歌う、カラオケに行く
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※一人カラオケでも効果あり!


「誰も見ていないところでひとりで歌を歌うと、ストレスホルモンのコルチゾールなどの値が減少するという研究結果があります。

たしかに、ひとりカラオケでおもいきり大声を出して歌えばスカッとしますよね。


みんなで一緒に歌うとさらに効果は上がりますが、ひとりでも、歌を歌うことはストレス解消に効果的な方法であると言えます」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法02:早く寝る、昼寝をする「睡眠は心の傷を癒やすために必要不可欠だと言われています。よく夜10時~深夜2時までの4時間は成長ホルモンがでるので、この時間帯に眠ると良いと言います。

実際、成長ホルモンがでている時間帯に眠っていると精神を安定させる効果が期待できるので、心の元気を保つためにも早く寝るのは良いことですね。

睡眠には、浅い眠りの『レム睡眠』と、深い眠りの『ノンレム睡眠』があります。

ノンレム睡眠で情報を整理し、レム睡眠で情報を統合していると言われていますが、さらにレム睡眠は脳の調律を行い、感情を読み取る能力を育む役割があると言われています。

十分なレム睡眠を確保するために、8時間以上の十分な睡眠をとることをおすすめします。
昼寝をするなら30分弱。それ以上眠ると生産性が落ちてしまうと言われているので要注意。

昼寝をする前にコーヒーなどのカフェインをとると良いですね。カフェインは身体に入って30分後くらいで効果が出始めるので、30分弱の仮眠でもスッキリ目が覚めると思います。

人間の脳は、目を閉じるだけでリラックス効果のあるα派がでると言われているため、ストレスを感じたら、5分くらい目を閉じるだけでも良いでしょう」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法03:音楽を聴く「好きな音楽を聴くと、楽しくなったり、うれしくなったり、幸せホルモンのオキシトシンがでてきます。音楽のジャンルは何でもOK。

クラシックでも、ハードロックでも、ストレスを解消するには、自分が好きな音楽を聴くことが大事なのです」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法04:ゲームをする「ゲームも、音楽を聴くことと同様、気分転換になります。ただし、同じことをやり続けると、脳が疲れてしまうので、ゲームをするならほどほどに。

簡単なパズルゲームを3分間やると、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶・処理する『ワーキングメモリー』が働き、睡眠欲や食欲などの欲求を減少させる効果があるという研究発表があります。

『遊びに行きたい』『甘いものが食べたい』などの欲求がつのってストレスを感じてしまったときは、テトリスなどのパズルゲームを3分間だけやってみましょう」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法05:ジョギングや筋トレなどの運動をする「ストレス解消には、中強度の運動が良いと言われています。ジョギングをするなら、ゆっくりダラダラと走るよりも、少し心拍数が上がるくらいのスピードが効果的。

走るときに一歩一歩、頭部に衝撃がかかることで、脳から分泌される物質が活性化されるという実験結果も示されています。
つまり、ストレスがたまったときにジョギングをすると、気持ちが向上するというのです。

筋トレをするなら、スクワットがおすすめ。下半身を鍛えると、マイオカインという物質がでて、身体の健康と心の健康の両方に効くと言われています。

スポーツをすると、血液の流れが良くなり、脳に酸素がいって働きが良くなるため、身体を動かすことはストレス解消に効果的だと思います」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法06:好きなものを好きなだけ食べる
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※空腹をガマンしすぎるのはストレスによくないみたい

「お腹がすくと、心の安定に深くかかわるセロトニンが減少するため、ストレスを感じやすくなります。空腹をガマンしすぎないのはストレス解消のひとつの方法。

ただし、好きなものを好きなだけ食べれば気分転換にはなりますが、食べ過ぎると『太っちゃうかも?』という罪悪感がストレスにつながることもあるので要注意」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法07:友達と電話やSNSで話をする「人とつながりをもつのは人間の基本です。まずはSNSでもいいから、人とコミュニケーションをしましょう。友達と電話で話をするときは、ぬいぐるみなどを抱きしめるといいですよ。

人間の脳はだまされやすいので、ぬいぐるみを抱きしめることで、直接、誰かと触れあっている錯覚をして、幸せホルモンのオキシトシンがでやすくなると言われています。

一番良いのは、直接会って話すこと。会話をするとき、相手の表情を読みながら、相手がどんなことを感じているんだろう、と考えながら話しますよね。

それが心を安定させるセロトニンの分泌にかかわってくると言われているので、できればSNSよりも実際に会って話をしてほしいですね」
(堀田先生)

みんなのストレス解消法08:YouTubeなどの動画を見る「YouTubeなどで、自分の好きなものの動画を見ることはストレス解消につながりますが、見過ぎるとよくないので気をつけましょう。
人間は、夜寝る前に嫌な思いをすると、寝ている間にその記憶が強く定着してしまうと言われています。

夜寝る前に、好きな動画をチラッと見ると、翌朝は気持ちよく目覚めることができると思いますよ」
(堀田先生)

家で簡単にできるストレス解消法を教えて!これからの寒い季節に、みんながおすすめの家で簡単にできるストレス解消法を聞いてみると、

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※お家で簡単!ストレス解消法をご紹介!



という回答結果に!

お風呂」「ストレッチ」「家族やペット」などのキーワードが多く出てきたのでそれを踏まえて、堀田先生におすすめの家で簡単にできるストレス解消法も聞いてみた。

簡単にできるストレス解消法01:お風呂に入る、お風呂の中で歌を歌う「お風呂に入ると、リラックスしているときに働く副交感神経が優位になって、ストレスを感じているときに働く交感神経を抑えてくれると言われています。

歌を歌うことで相乗効果になるので、ストレス解消におすすめです。シャワーを浴びると、頭はスキッとしますが、リラックス効果が得られないので、ゆっくりとバスタブにつかって、好きな歌を歌いましょう」
(堀田先生)

簡単にできるストレス解消法02:ストレッチ、ヨガ、瞑想をする 「人間の脳は、自分が動く速度と連動していると言われています。手足を速く動かすとイライラしやすく、所作をゆっくりすると気持ちが落ちつくのです。

身体を動かすときは、ゆっくりと円を描くような動作がおすすめ。ストレッチ、ヨガ、瞑想法などは、『リラクゼーション・レスポンス』と言って、心拍数や血圧を低下させたり、呼吸数を減らすことで、ストレス解消に効果があるという研究結果もでています。簡単にできる方法としては、深呼吸をするだけでもOK。

腹式呼吸で、鼻からゆっくり息を吸いながらお腹をふくらませ、口からゆっくり息を吐きながらお腹を凹ませます。大学の研究によると、腹式呼吸で副交感神経が優位になってリラックス効果が得られた、という実証もあります」
(堀田先生)

簡単にできるストレス解消法03:趣味に没頭する 「好きなことをすると、幸せホルモンのオキシトシンがでてきます。趣味に没頭する=好きなことをしているので、もちろんストレス解消に効果的だと言えます。

さらに、人間の脳はマルチタスクではないので、何かに集中すると、他のことを感じている余裕がなくなると言われています。

趣味に没頭すれば、ストレスを感じるような嫌なことを考えるヒマがなくなると思います」
(堀田先生)

簡単にできるストレス解消法04:家族と話をする、ペットに癒やされる「家ならではのストレス解消法は、家族と話をしたり、ペットとふれあうことですね。

実は、猫と見つめ合ってもオキシトシンはでないけれど、犬と見つめ合うとオキシトシンがでると言われています。幸せホルモンのオキシトシンの分泌だけを考えれば、犬のほうがおすすめ。

とはいえ、猫でも犬でも、ウサギやハムスターなどでも、癒やされるのは間違いないと思います。ただし、ロボットはあまり効果的ではありません」
(堀田先生)

簡単にできるストレス解消法05:ヘンテコな動きをする
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※ヘンテコな動きはどこでもできて簡単!ただ人にみられないように

「僕からのおすすめのストレス解消法のひとつが、ヘンテコな動きをしたり、ダンスをすること。人間の脳はだまされやすいので、『変な動きをするほど私は楽しいのだ』と脳が勘違いをして、実際に楽しい気持ちになるという研究結果があります。

5分間ダンスをするとポジティブな気持ちが高まる、という実証もあります」
(堀田先生)

簡単にできるストレス解消法06:日記に不安を書き出す「毎日、日記を書いて、ストレスの要因になっている不安なこと、嫌なことを書き出してみるといいですね。不安や嫌なことを考えないようにするのではなく、あえて書き出すことで、精神が安定すると言われています。

紙に書くのがおすすめですが、スマートフォンなどにメモしても構いません。何年か経って読み返してみると、おもしろいですよ」
(堀田先生)

簡単にできるストレス解消法07:緑のあるところで過ごす
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※自然にふれるのはストレス解消法に効果大!


「家から少し離れますが、お散歩をするなら緑のあるところ。近所の小さな公園でも、緑を感じられる場所なら大丈夫です。1週間に合計2時間以上、自然環境にふれた人は、健康状態や幸福感が良好になるという研究結果があります。

家でも観葉植物などを置いて、ストレスを感じたときにボーッと見るといいですね」
(堀田先生)

ストレスを解消する方法は「不安」とうまく付き合っていくこと
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※考えすぎずに気軽にストレスを解消してみて!


「もともと人間は不安を感じるようにできているので、それを武器として、上手に付き合っていくことが、ストレスをためないことにつながると思います。

不安を感じるのは悪いことではなく、すばらしいセンサーをもっているのだと考えましょう。不安だ、じゃあ、こうして解決しよう、とピンチをチャンスに変えるくらいの気持ちが大切。

コロナ禍で、たくさんの楽しみが奪われたり、イライラすることも多いでしょう。でも、社会を変えよう、嫌な人を変えよう、と思っても、自分ひとりの力で変えることは難しいですよね。

事実はひとつで変えられないなら、受け止め方を変えるのが、ストレスを回避するコツ。『こんなもんじゃん』という考え方ができれば、ストレスを感じなくなると思います。

ポジティブに考える必要はありません。事実を、ありがままに受け入れる。考えすぎないことが大事なのです。それでもストレスを感じてしまったら、脳に楽しい情報を送って、心を元気にしましょう。ストレスを解消する方法は人それぞれ。

実際に試してみて、自分に合った方法を見つけてください」
(堀田先生)

ちょっとした行動と気楽な気持ちがストレス解消につながる!
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※ちょとした行動や考え方を変えるのがストレス解消への近道



ちょっとした行動をしたり、考え方を変えるだけでも、簡単にストレスを解消できることがある。

ストレスをためないように、自分なりのストレス解消法を見つけ出そう。

監修/堀田秀吾 イラスト/Okubo Shino グラフ/mashroom design 文/やまだ みちこ 構成/黒川 安弥(本誌)