2010年に解散したものの、デビュー20周年を迎えた2018年5月に再始動、ライブを中心に活動を続けている彼ら。
椎名のMCでも触れられたが、ここ恵比寿リキッドルームは2010年2月13日に、彼らが解散発表を行った会場でもある。解散後、椎名がソロでステージに立つことはあったものの、SURFACEとしてライブを行うのは解散発表以来だ。そんなこともあり、会場に足を運ぶことに複雑な思いを感じているファンもいたかもしれないが、彼らはそんな感傷を吹き飛ばすほどの熱いライブを見せてくれた。
オープニングから身振り手振りで観客を煽る椎名と、ディストーションを効かせた鋭い音色を聴かせる永谷。序盤の「やってみようよ」では、間奏でトレモロ奏法によるカオティックなソロを聴かせて興奮を煽る。時に同期を交えた3人のサポート陣によるタイトな演奏で、ライブは序盤からハイテンションなものとなった。観客は、椎名のアクションに合わせて拳を突き上げたり、コーラスに合わせて振り合わせしたりとバンドと観客の一体感がすごい。




椎名の「仰々しくしたくはないんだけど、11年ぶりのバンドでのツアーです!」とのMCに大歓声が送られる。同じくアルバムも11年振りのリリースとなったわけだが、この日、ニューアルバムから全曲が披露された。
ミュートを効かせたギターリフと、色気のあるボーカルが会場のムードを一変させた「君を平穏から救い出せるのは」、見事な歌唱で客席を静まりかえらせたバラード「また僕はうなずく」、合唱になった「NANANA」等、バラードからアップテンポまで随所に散りばめられ、観客は新曲にも関わらず、何度も聴いてきた曲のような反応を見せた。わずか4日前にリリースされたばかりの新譜にこれだけの反応が返ってくるというのも驚きだ。
「まさか、ニューアルバムが出るとは俺も思ってなかった(笑)」という椎名のMCは紛れもない本音かもしれないが、どの曲も躍動感に満ちていてフレッシュさがあり、自信を持って世に送り出したことがよくわかる、素晴らしいパフォーマンスだった。


ユーモアたっぷりのMCでは、時折お笑い芸人のネタなんかも口にした椎名。そういえば、「さぁ」がコロコロチキチキペッパーズのネタによりフィーチャーされ、SURFACEの存在が再認識されることとなったのも、活動再開となった今では懐かしい。もちろんこの日のライブでも「さぁ」は披露された。終盤ではコール&レスポンスからヒット曲を繰り出して怒涛の盛り上がりをみせた。新作の曲を中心に代表曲も交え、彼らがいかに今の自分たちに自信を持ち、音楽を楽しんでいるかが伝わってくるツアー初日だった。

解散発表をしたあの日から、約9年。ファンにとっては、リキッドルームの悲しい記憶が最高のライブの記憶に塗り替えられた一日だったのではないだろうか。
ツアーは今後、7月28日(日)新潟県 NEXS Niigata 等の地方公演を経て、ファイナルとなる9月21日の東京・中野サンプラザホールまで全12公演の開催を予定。なお、8月10日の千葉・KASHIWA PALOOZA公演は女性限定ライブ、8月11日の東京・下北沢SHELTER公演は男性限定ライブとなっている。

<リリース情報>

『ON』
SURFACE
発売中
価格:3000円+税
=収録曲=
1. Is life beautiful?
2. NANANA
3. やってみようよ
4. 死が二人を分かつまでは
5. spilt milk
6. また僕はうなずく
7. 君を平穏から救い出せるのは
8. LIKE a CAT -transit mix-
9. 切り拓けマイセルフ
10. 傷痕
11. 僕たちの声
<ツアー情報>
SURFACE LIVE TOUR 2019「ON ~two as one~」
2019年7月28日(日)新潟県 NEXS Niigata
2019年8月3日(土)岐阜県 岐阜club-G
2019年8月10日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA ※女性限定ライブ
2019年8月11日(日)東京都 下北沢SHELTER ※男性限定ライブ
2019年8月18日(日)宮城県 仙台MACANA
2019年8月24日(土)大阪府 BIGCAT
2019年8月31日(土)福岡県 BEAT STATION
2019年9月1日(日)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
2019年9月7日(土)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2019年9月15日(日)北海道 札幌PENNY LANE24
2019年9月21日(土)東京都 中野サンプラザホール
Official HP:http://www.surface.net/index.php