毎回タイの音楽事情に関してコラムを書いていますが、今回もタイ案件です。
11月の1日、2日、3日とド頭に「BANGKOK MUSIC CITY」(略してBMC)というカンファレンスも含めたショーケースイベントに行ってきました(誘われたわけではなく勝手に)。
立ち位置的にはイベントに出演が決まったdeepsea drive machineのスタッフとして同行。11月1日は行けず、2日と3日のライブが有る日程だけ顔出し的に弾丸で行ってきました。
朝9時35分出発の飛行機を予約、家から新宿、中央線で東京駅からバスに乗るのがいつもの流れですが、今回はバスの予約が満席でできず、珍しく成田まで電車の旅。夕方にはドンムアン空港到着。タクシーでイベント会場になるバンコクの郵便局「Grand Postal Building」へ向かう。
郵便局の敷地内野外ステージが一番大きく、無料で観覧可能。郵便局地下と二階部分はライブ会場。郵便局隣のTCDC(Thailand Creative & Design Center)にてカンファレンスが行われていて、歩いて10分~15分程度の場所に各会場があり計8会場。
音楽業界の方々でしたらすぐにピンとくるかと思いますが、内容的にはSXSWのタイバージョン、タイでは初めて行われるアジアに特化したライブコンベンションで、ぜひ長く続けてもらいたいという内容。
到着後、タイで一番お世話になっているじんさんのバンドFaustusリハ中。
野外ステージ前にはテント内に飲食店や帽子やバッグなどの物販店が多数で日本で言うお祭りのような感じ。今日はFaustus、ddmのライブがあるので郵便局周りのみに集中。他会場は明日チェック。
17時30分:Faustus、変拍子+ハードコア感ありのインストバンド。音楽偏差値高めだが、ライブでのバンド感ががっちり出てきて今後が楽しみ。来年はアジアでの展開を期待。
20時:野外ステージのトップ、MalaysiaのAnHonest Mistake。流石にお客さんの入りがまばらだったが、ガッツのある演奏をしていた。
18時30分:FEVERにも出演したメロディが印象的なTEMP. トランペットの人が好きだったがメンバーチェンジがあった様子。人気者でフロアは人でいっぱい。
18時45分:タイのバンドで一番仲の良いバンドINSPIRATIVEが中国ツアーから帰国してすぐにライブ。
19時30分:タイの人気ユニットWhal&Dolphを終わりかけでチェック。シティ・ポップとタイポップの中間で人気が出るのも分かる。
19時45分:日本からの出演者ザ・クレーター。少し前にメンバーからアジアでのライブ展開を相談を受けていたが、ガッツの別経由で今回出演。とても有意義なライブだったとメンバーも楽しそうだった。次回につなげてもらいたい。
20時:いいバンドだと噂になっていたDOGWHINE。タイでこんな不協和音を出しているアングラでかっこいいバンドがいるのかと驚いた。東京ロッカーズ直系(知らないと思うけど)。
20時15分:野外ステージのトリ、フジロックなども出演しているParadise Bangkok Molam International Bandは母国でも凄い人気で見ているお客さんは全員踊っていた(笑)。
小腹が減り少し休憩。
22時45分:deepsea drive machineが郵便局地下にてオンステージ。エフェクトトラブルなどあったがすでに数回バンコクでのライブをこなしてきた経験値もあり、ダンサブルでありながら大きなロック感。お客さんの入りも上々だった。
大好きなPlasticPLasticや気にっていたSoft Pineが見れなかったのは残念だが、ddm終了後片付け、24時前ぐらいだったのでタクシーでホテルへ移動。いつもの「俺達の食堂」(ここの食堂は何年も行っているが名前が未だに無い)にてじんさんとddmメンバーで打ち上げ。
音楽関係者がやるべきこと
翌日9時頃起床。一泊のみだったので身支度をして気になっていたコーヒーショップYEST WORKSへタクシーアプリGrabを使って向かう。大した距離ではないのだが、まだバイクタクシーを使うほど度胸もない(数回使っているがかなり怖い)豆が8種、ローストも8種、抽出方法も多々というこだわりっぷり。
その後、じんさんとddm西さんと合流。雑貨販売を中心にタイのインディーズCDなども売っているhappening shopを視察。KEISHI TANAKAのCDとコメント入りフライヤー発見。
バンコク中心部にできたLIDO CONNECTが近い、とのことで寄ってみる。映画館やショップがある複合施設の中にLIDO CONNECTというライブハウスができた、と聞いていてちょうどイベントを開催していたので覗いてみたが元映画館だった場所がライブハウスになっていて、渋谷のWWWをもう少し平たくした感じ。キレイで使い勝手の良さそう。キャパは日本の感覚で言うと600人前後は入るんじゃないか、というところ。toeのバンコク公演はここでやるそうです。
BMCへ向かう。カンファレンスで沖縄桜坂劇場の野口さんが壇上しているので覗きに行き、下の階でお世話になっているタイのインディーズレーベル(現状タイでトップインディーレーベルと言っても過言ではないかと)プームさんが壇上しているトークセッションへ。今年7月にFEVERがバンコクで行ったFEVER TOURS in bkkの宣伝バックアップをしてくれたお礼を伝える。
夕方からは各ベニューをチェックしましょう、と郵便局から一番遠いFOOJOHNという飲食店の2階へ向かう。
17時:Lukpeach ついた頃には始まっていたが、ゆるふわのタイポップ。よく見たらトランペットが元HEMP.のトランペットだったが、小さなお店で(キャパ40人ぐらい)ギュウギュウだったので声はかけられず。
TO MOREへ移動。
17時30分:Beagle Hugタイで一番お世話になっているじんさんイチオシのビーグルハグ。サイケでトリップ感のあるスローコア寄りな楽曲に素晴らしく歌唱力がある女性ヴォーカル。これは俗に言うワールドレベルというやつになるのではないか……。.
TO MOREから歩いて1分ほどのHONGKONG HOUSEへ。こちらは中に入れないお客さんが道に溢れていていた。
18時15分:Zweed n Rollが演奏中だったが、本当に人だらけで中の様子も見れなかった。今年のFEVER TOURSで来日してくれたが、やはりバンコクでは大人気。今年の夏から秋にかけてはこのバンドのCDばかり聞いていた。
SOY SAUCE FACTORYへ移動。元々醤油工場跡地をアートスペースへ改装。
18時30分:ジャカルタから来たIrama Pantai Selatan。ジャカルタのアーティストのみだったので、お客さんの入りが厳しい感じではあったがウクレレの二人組は楽しそうに演奏していたのが印象的。
Sriajah RockersやWave and so、Gym and Swim、Supergoods、Earth Patravee、Waltzなど見たかったアーティストは沢山いたが、飛行機の時間でタイムアウト。
無料の野外ステージは事前登録が必要だったそうで、相当な人数からの登録があったそうですが、やはり無料だと来ない方もいるもので、思った人数が集まらなかったそうです。難しいですね……。
このようなコンベンションライブ、アジアでも各国で広がっているので日本はどうするか、というのが今後の課題だと思いますが(今回のBMC、バンドや壇上者は日本人がいましたが、企業参加などが全くなかったそうです)アーティストはどんどん海外へ出ていくべきだと思うし、かっこいいバンドがアジアにも沢山いるのでコミニケーションを取ってチェックをしにいくのは音楽関係者がやるべきことではないか、と。
次のアジアはやっぱりタイで(笑)。お世話になっているCAT RADIOというネットラジオ局がやっているCAT EXPO(動員4万人のタイの音楽好きは絶対知っている超有名フェス)へ推薦したCOMEBACK MY DAUGHTER出演決定! 2019年11月23日・24日の2DAYSでCBMDは24日の日曜日に出演。カムバックは新作『WORN PATH』を告知なしリリースして世間をザワつかせながらバンドは絶好調。今のカムバック、タイでは絶対にウケると思っているので楽しみです。

西村等
LIVE HOUSE FEVER 店長、ブッキング、雑用。19歳アルバイトで入った下北沢某ライブハウスにて10年間店長として毎晩飲み明かし、30代前半に独立し会社設立。新代田にてFEVERを2009年オープン。
http://www.fever-popo.com/